2024.02.13
本タイトル ホワイトニングはなぜ痛いの?痛みの原因や対処法などを解説
ホワイトニングに関心がある人が多い一方で、「ホワイトニングをやってみたいけど、痛みが心配」という方も少なくありません。ホワイトニングは、使用する薬剤の濃度や歯の状態によって歯が染みたり痛みが出たりすることがありますが、個人差があります。この記事では、ホワイトニングで痛みが出る原因のほか、対処法や予防法などを詳しく紹介しています。ホワイトニングの痛みが気になる方は、ぜひご一読ください。
ホワイトニングで歯が痛くなる原因
歯は、外側からエナメル質、象牙質、神経という構造で出来ています。外側のエナメル質はとても硬く神経が通っていないため、ホワイトニングの薬剤が染みて歯が痛むことはありません。
ホワイトニングによって歯が染みる主な原因は、エナメル質の傷や欠損です。エナメル質に傷や欠損があると、神経から象牙質へ伸びた神経細胞が、ホワイトニングの薬剤による刺激に反応して痛みを感じるのです。
薬剤の種類や量によっても痛みの違いがあらわれるため、ホワイトニングで感じる痛みの具合は個人差によるところが大きいと考えられます。
ホワイトニングの痛みの種類
ホワイトニングの痛みは、24時間~数日程度で落ち着くのが一般的です。ただ痛みと一言で言っても、さまざまな痛みがあります。主な痛みは、以下の3つです。
ピリッとした痛み
ホワイトニングの痛みで最も多いのが、知覚過敏の痛みです。冷たい食べ物や飲み物、ブラッシングによってピリッとした痛みを感じるときは、知覚過敏であると考えてよいでしょう。
もともと知覚過敏の症状がある方は、ホワイトニングの治療時に痛みをより強く感じるリスクがあります。
ズキズキした痛み
エナメル質(歯の表面の層)に何らかの損傷があると、ズキズキという鈍痛を感じやすいです。
この痛みは、薬剤の歯への刺激から起こるケースもあれば、虫歯や歯ぎしりによってエナメル質が失われているケース、歯周病や加齢により歯茎が後退しているケースなどもあり、さまざまなケースが考えられます。
ヒリヒリした痛み
過酸化水素は刺激が強いことから、歯茎や唇に付着した場合、軽い火傷のようなヒリヒリとした痛みを起こすことがあります。
オフィスホワイトニングでは、薬剤が歯茎や唇に付着する心配はありませんが、ホームホワイトニングは自分で薬剤を塗布するため、薬剤が誤って歯茎や唇に付着して、ヒリヒリした痛みを感じることがあるのです。
ホワイトニングで痛みを感じやすい人の特徴
ホワイトニングで痛みを感じやすい人には、いくつかの特徴があります。痛みを感じやすい人の特徴は、以下の3つです。
虫歯や歯周病の症状がある
虫歯や歯周病の症状がある人は、要注意です。まず、虫歯の症状があるということは、歯のエナメル質が溶け始めている可能性が高いため、ホワイトニングのとき痛みを感じやすいでしょう。詰め物に隙間がある場合も、痛みの原因となることもあります。
また、歯周病が進行すると、歯茎が下がり歯根が露出しやすくなるため、ホワイトニングの痛みが出やすいです。歯根はエナメル質に覆われておらず、象牙質が剥き出しのままの状態です。
したがって、歯周病が進行したままホワイトニングをすると、薬剤が歯に染みるでしょう。
歯の欠損やヒビがある
歯の欠損やヒビがあると、ホワイトニングの薬剤が染み込み、歯が痛みやすくなります。このほか、歯ぎしりによる表面の摩耗も痛みの原因となりやすいです。
歯の欠損やヒビがある人、歯ぎしりの癖がある人は、ホワイトニングよりも先に、歯の治療を優先するようにしましょう。
知覚過敏の症状がある
知覚過敏の症状があると、ホワイトニングによる刺激に敏感に反応してしまうため、痛みを引き起こす可能性が高いです。
知覚過敏は、エナメル質が摩耗して象牙質があらわになることで起きる症状のことです。人によっては、ホワイトニングが原因で知覚過敏になってしまうこともあります。
ホワイトニングで痛いと感じた場合の対処法
ホワイトニングで歯が痛いとき、ここでご紹介する3つの対処法を実践することで、痛みを軽減できる可能性があります。それでも痛みが治まらない場合は、歯の神経が炎症しているかもしれないので、我慢せずにかかりつけの歯科医院を受診してください。
歯磨き粉で歯をコーティングする
歯の表面に傷がついていることが原因で、歯が痛いと感じたときは、知覚過敏用の歯磨き粉で歯の表面をコーティングしてみてください。知覚過敏用の歯磨き粉には、痛みを軽減するだけでなく、ホワイトニング作用を長持ちさせる効果もあります。
鎮痛剤を飲む
ホワイトニングによる痛みが強いときは、鎮痛剤で痛みを和らげるのも一つの方法です。処方してもらった鎮痛剤がない場合、市販のロキソニンなどの鎮痛薬でも構いません。
ただし、鎮痛剤を飲み過ぎないようにしてください。また、鎮痛剤を飲んで痛みが治まっても、痛みを抑えているだけで、痛みがなくなったわけではないので注意しましょう。
うがいや歯磨きで薬剤を洗い流す
うがいや歯磨きによって、口内に残っているホワイトニング薬剤を洗い流すことで、ホワイトニングによる痛みを軽減できる可能性があります。
すすぎが不十分だと、薬剤が歯に染みて痛いと感じることがあるので、しっかりとうがいしましょう。歯磨きをするときは、フッ素加工された歯磨き粉を使うことをおすすめします。
ホワイトニングの痛みを防ぐ方法
ホワイトニングの痛みは、できるだけ避けたいものですよね。痛みを防ぐ方法は、主に6つあります。治療前に、ぜひ以下の6つの方法を試してみてください。
虫歯を治しておく
ホワイトニングの治療を受ける前に、虫歯や知覚過敏を治しておきましょう。例えば、虫歯があると、歯の表層であるエナメル層が溶けて、ホワイトニングの薬剤が象牙質にしみて、痛みを引き起こしてしまいます。虫歯は、ホワイトニング施術前に治しておいてください。
知覚過敏を抑える
知覚過敏を抑えることは、ホワイトニング時の痛みを抑えることにつながります。知覚過敏用の歯磨き粉のほか、エナメル質の強度を高めるフッ素入りの歯磨き粉を使用するようにしましょう。
定期的な歯科検診
歯の定期検診では、虫歯や歯周病などのリスクを早々に発見でき、治療できます。かかりつけの歯科医院で定期検診の内容に基づいたホワイトニングを行えば、痛みを最小限に抑えられるだけでなく、歯の健康と白さも実現可能です。
歯周病対策をする
日頃の歯磨きと歯周ポケットの歯垢除去にて、歯周病ケアを丁寧におこないましょう。歯周病ケアのポイントは、自分にあった歯ブラシやデンタルフロスでケアすることです。
冷たい飲み物や刺激物を控える
ホワイトニング後は、知覚過敏の状態になっていることが多いです。このタイミングで冷たい飲み物や刺激物を飲食すると、歯に痛みが出るかもしれません。
アイスや冷たい炭酸飲料などのほか、辛い食べ物や酸っぱい食べ物、熱い飲み物なども控えた方が安心です。ホワイトニング後から痛みが引くまでの間は、飲み物は常温のものを飲むようにしましょう。
痛みを軽減するホワイトニング方法を選ぶ
ホワイトニングで痛みをできるだけ軽減するには、ホワイトニング方法そのものを検討するのもおすすめです。痛みを軽減するホワイトニング方法は、主に3つあります。
一つめはティオンホワイトニングです。過酸化水素水の濃度を抑えており、歯への刺激を少なくしつつ漂白効果を高めることができます。
二つめはピュールホワイトで、これは過酸化水素を使っていません。ホワイトニング剤の主成分は二酸化チタンなので、過酸化水素特有の刺激がなく、痛みもほとんどないのが特徴です。漂白効果は過酸化水素に劣るものの、刺激による痛みが心配な方におすすめです。
三つめは、松風ハイライトです。これは、日本で開発されたホワイトニングシステムで、エナメル質が薄い日本人の歯への刺激を抑えることができます。
まとめ
ホワイトニングの痛みには、何かしらの原因があります。痛みを抑えるために、ホワイトニングの施術前に歯の状態をチェックしましょう。虫歯や歯のひび、欠損がある場合は事前の治療が必要です。
痛みを最小限に抑えたい場合は、歯の定期検診の延長線上でホワイトニングを行いましょう。かかりつけの歯科医師によるホワイトニングは信用できます。
江坂院では、「痛みを抑えた治療」をモットーに、患者さまのご要望を伺いながら安心・安全な診療を行います。ホワイトニングのご相談も承っていますので、お気軽にお問い合わせください。