2024.02.17
インプラントは年を取ったらどうなる?寿命や老後のメリット・デメリットも紹介
インプラント治療を受けようと考えた時に、気になるのが老後のことではないでしょうか。「インプラントはどれくらい持つ?」「老後のメリット・デメリットは?」「年を取ってからも気持ち良く使えるのかしら?」などと疑問を持つ方も多いと思います。
そこで今回は、インプラントの寿命のほか、年を取ってから実感するインプラントのメリットと、老後に考えられるデメリットを詳しく解説します。
インプラントの寿命はどれくらい?
歯が抜けてしまった場合の治療には、大きく分けて入れ歯・ブリッジ・インプラントの3つの治療法があります。なかでも、インプラント治療は長く持つと言われています。
ここでは3つの治療法の寿命について詳しく説明します。
インプラントの平均寿命は10年以上
インプラントの寿命は、一般的には約10~15年とされています。厚生労働省の資料によると、インプラントを入れてから10年経過した後でも、まだ機能しているインプラントの割合(残存率)は約90%とあります。
また、インプラント研究会によるインプラント治療後20年以上経った患者を対象としたアンケート調査では、回答者の内の78%が「特に問題がない」と答えています。
ただし、この年数には個人差があり、メンテナンスをおこたると短い期間で寿命を迎えることもありますし、過去には最長40年インプラントを保てたという記録もあります。
参照元:「歯科インプラント治療のためのQ&A|厚生労働省」「20年以上経過したインプラント患者のアンケート調査」
入れ歯・ブリッジの平均寿命は?
入れ歯の平均寿命は、5~6年と言われています。ただし、入れ歯そのものが壊れてしまうというより、年を取ってあごの骨や歯ぐきがやせてしまったり、入れ歯を支える周りの歯が抜けてしまったりして入れ歯が合わなくなるなどの理由が多いようです。
ブリッジは、失った歯の両隣の歯を削り、それを支えにして人工の歯を被せる治療法で、平均寿命は7~8年と言われています。支えにする歯の状態や、毎日の歯磨きがしっかりできているかで、寿命は変わります。歯周病になると寿命が短くなります。
高齢者が感じるインプラントのメリット
ブリッジや入れ歯と比較して、インプラント治療は噛み心地や見た目などの点において、より自分の歯の状態に近づけられる治療法と言われています。
ここでは、インプラントのメリットの中でも、年を取ってからより一層良かったと感じられるポイントについて説明します。
しっかり噛めて、味わえる
インプラント治療では義歯をネジで固定するため、次のような利点があります。
- しっかり強く噛める
- 左右でバランス良く噛める
- 歯ごたえのある食べ物も食べられる
その結果、自分の歯で食べるのに近い感覚が得られ、「食べ物がおいしい」「食べるのが楽しい」と感じる方が多いです。
日本口腔インプラント学会のインプラント治療者を対象としたアンケート調査では、回答者の内78.9%が「思った以上に違和感がない」、67.9%が「思った以上に噛みごこちが良い」と答えています。
食べ物をしっかり噛めなくなると、食事の量が減り、それが筋肉の減少などにつながることも。そのため、インプラント治療で自分の歯に近い機能を維持できることは、全身の健康にとっても大きな利点です。
参照元:「データからみるインプラント|日本口腔インプラント学会」
認知症の予防にも効果が期待できる
しっかり噛めることで食べ物をおいしく食べられるだけでなく、認知症予防にも良い効果が期待できます。
その理由としては、まず噛む力が強いと脳への刺激が増えることが上げられます。これは上記でも説明した通り、義歯をネジでしっかり固定できているからです。
次に、インプラント治療の場合、人とのコミュニケーションが億劫になりにくいという点が上げられます。これは、次の2つの理由によるものです。
- 人工歯の素材がセラミックなどで、自然な見た目であること。
- ズレないので、入れ歯のように発音が聞き取りづらくなる可能性も低い
自信を持って話したり笑ったりできることは、人とのコミュニケーションを気兼ねなくするのに大切です。人と関わることは認知症予防に良い影響を与えてくれると言われています。
定期的なメンテナンスが健康維持に役立つ
インプラント治療後には定期的なメンテナンスが欠かせません。歯科クリニックでプロの手によるメンテナンスを受けることは、インプラントを長持ちさせるためだけでなく、口の中全体を健康に保つことにもつながります。
最近の研究で、口の中の健康が身体状態の他の部分にも影響することが分かってきました。
例えば、生活習慣病の一種である糖尿病。歯周病が糖尿病の症状に深く関わっていると言われており、糖尿病患者に歯周病の治療をすることが糖尿病のコントロールにつながるという研究結果も出ています。
その他にも、歯周病は心疾患や慢性腎臓病、呼吸器疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、悪性新生物(がん)など、さまざまな病気と関連していることが報告されています。
定期的にメンテナンスに通うことで、口の中がどのような状態であるかをチェックしてもらい、歯周病の予防や早期発見・治療、口腔機能の低下防止に務めることが、インプラントの健康だけでなく、全身の健康につながるのはうれしいですね。
老後に考えられるインプラント治療のデメリット
健康寿命を延ばすのにも役立つと言われるインプラント治療ですが、年を取ることで考えられるデメリットも、もちろんあります。
高齢になると再治療が難しい
インプラントは使い続けているうちに、人工歯が取れたり、欠けたりする可能性があります。被せ物の人工歯や土台となるアバットメントが取れただけで破損がなかった場合は、取れた箇所の再装着で済むことから数千円で治療できます。
埋め込んでいるインプラント本体の抜け落ちや破損があったときは、一度除去して再手術が必要です。ただ、年を取ることで、あごの骨が痩せてしまったり、手術に耐えられる体力が失われていたりすることが考えられます。その場合は再手術ができません。
しかし、そういった場合は、当院ではご希望に応じて保険適用の入れ歯やブリッジなどに変更するなどを検討します。
インプラント周囲炎になる可能性が高まる
治療後にケアをおこたると、インプラント周囲炎になる可能性が高まります。インプラント周囲炎とは、歯周病の一種でインプラントの周辺に炎症が起きている状態です。重症化するとインプラントが抜け落ちてしまうこともあります。
それを防ぐためには丁寧なセルフケアや歯科クリニックでの定期的なメンテナンスが必要です。しっかりとケアができていれば、万一インプラント周囲炎になっても、重症化する前に治療することができます。
定期的なメンテナンスを受けることはインプラント治療をした歯以外の、生来の歯の健康維持にも良い影響を与えます。インプラントのメンテナンスについては以下でも詳しく紹介していますので、ご覧ください。
インプラントのメンテナンスにかかる費用は?セルフケアのコツも紹介
寝たきりになったり、老人ホームに入院することになったりし、通院するのが難しくなることもあると思います。その場合は、訪問歯科治療を行っているクリニックもあります。そういったサービスの利用で口の健康を維持することを検討してみるのもひとつの手です。
江坂で、老後も安心して使えるインプラント治療をするなら、安岡デンタルオフィスへ
今回は、インプラント治療の年を取ってからのメリット・デメリットについて紹介しました。インプラントは寿命が長く、老後にもメリットが大きい治療法ですが、治療後の不安を少しでも低減するために必要なのは定期的なメンテナンスです。
当院では患者様が進んでメンテナンスに来ていただけるよう、メンテナンスコースも「気持ち良い」「スッキリしたな」と感じていただける内容をと考え、作成しました。
当院のメンテナンスコース(22,000円)の工程は以下の通りです。
- 染色・TBI…プラークを赤く染め出しての歯磨き指導
- パウダーメンテ…専用のパウダーでステインや着色を除去
- イリゲーション…専用の薬剤を使用して、歯と歯茎の間の細菌が増えやすい部分を洗浄
- スケーリング…歯全体を超音波で汚れ落とす
- 舌クリーニング…舌表面のプラークを専用ブラシで除去し、舌の上や下を薬剤で洗浄
- PMTC…専用ペーストやブラシをハンドピースにつけて歯の表面をきれいに磨き上げ、細かい汚れなどもしっかり落とす
- イリゲーション2…口腔内を人体に一番いいPHにするために全体的に薬剤で洗浄
- 術者磨き…歯科衛生士が磨き残しなどをチェックし、ブラッシンケアを行う
- ガムマッサージ…専用のガムペーストで歯肉の血行促進を行う
- 3DSトレー装着…除菌ペーストを塗布した専用トレイ-を装着し、除菌【リピート患者様のみ】
- フッ素塗布…歯のエナメル質をフッ素にて強化し、虫歯になりにくくする
メンテナンスに特化した専用フロアを設け、予約も取りやすくしています。もちろん他院でインプラント治療を受けられた方もご利用いただけます。
江坂で、老後も安心して末永く使えるインプラント治療ができる歯科クリニックをお探しの方は、ぜひお問い合わせください。