2018.08.01
鼻水・鼻づまりが歯周病のせい!?蓄膿症を歯医者で治す
風邪をひいているわけではないのにひどい鼻水や鼻づまりが起きたら、耳鼻科にかかるでしょう。また、鼻の痛みが激しく「蓄膿症かもしれない」と思ったときも、耳鼻科の先生に診てもらうでしょう。
もちろんそれは正解です。
しかし歯科医にしか治せない蓄膿症があるのです。蓄膿症の一種「歯性上顎洞炎(しせいじょうがくどうえん)」という病気で、上の歯の奥歯が歯周病におかされることで発症します。
蓄膿症とは「副鼻腔炎(ふくびくうえん)」のこと
長期に及ぶ鼻水と鼻づまりを引き起こす蓄膿症は、副鼻腔炎ともいいます。副鼻腔炎とはその名の通り、副鼻腔という器官が炎症を起こす病気です。
副鼻腔とは、鼻の奥にある空洞のことです。ここに細菌が侵入して感染症を引き起こすと膿ができます。その膿が副鼻腔の穴を塞いで鼻づまりを起こしたり、炎症が副鼻腔の粘膜を刺激して鼻水が止まらなくなったりします。
ほとんどの副鼻腔炎は、耳鼻科医が治療します。
歯の異常が鼻の奥の空洞に悪影響を及ぼす
副鼻腔炎のひとつに、歯性上顎洞炎があります。歯性とは「歯が原因の」という意味です。上顎洞は、副鼻腔の1つで、やはり空洞になっています。
つまり歯性上顎洞炎とは、歯の異変で上顎洞が炎症した病気のことです。すなわち歯周病が原因で起きる蓄膿症なのです。
また歯周病でなくても、歯の根が虫歯に侵食されても歯性上顎洞炎を引き起こすこともあります。
歯と鼻は顔の奥でほとんど密接している
歯と鼻は3センチぐらいしか離れていませんが、それでもなぜ歯の病気が鼻の病気を引き起こすのでしょうか。それは上顎洞の位置がポイントになります。
上顎洞は頬の裏側にあります。頬の裏側には上の奥歯もあります。
そして上の奥歯のうち、6番目の大臼歯の根の先端は、この上顎洞にほぼ密接した距離にあるのです。歯と鼻は、顔の表面上は3センチぐらい離れていますが、顔の奥ではほぼ接触しているのです。だから歯の病気が鼻にうつってしまうのです。
上の奥歯の大臼歯が歯周病になってしまうと、歯周病菌が上顎洞に侵入し、歯性上顎洞炎という蓄膿症を引き起こすのです。
重症化の可能性大。すぐに治療を開始して
歯性上顎洞炎を治すには、病気の原因である歯周病を治療しなければなりません。
歯性上顎洞炎を起こしている歯周病はほぼ確実に重症化しています。歯周病の兆候が出ている人が鼻づまりを起こしたら、すぐに安岡デンタルにかかってください。