2024.02.13
虫歯やインプラントに使うジルコニアはどんな素材?寿命や値段も紹介
虫歯や歯が抜けてしまった際には、金属やレジン(プラスチック)を使った保険適用の治療に加えて、自費診療のセラミック治療という選択肢もあります。
セラミック治療とは、陶器と同素材であるセラミックを使った治療のこと。素材自体が白く透明感があるため、自分の歯に近い見た目を再現することができると言われています。そのセラミックの中でも、高い硬度を誇るのがジルコニアです。
この記事では、「ジルコニアの素材の特長」「ジルコニアのメリット・デメリット」について紹介します。
歯のセラミック治療で使われるジルコニアとは?
人工ダイヤモンドの素材としても名高いジルコニア。歯科医院のセラミック治療で使われるジルコニアは、純粋なジルコニアに別の素材を組み合わせて、結晶構造を安定化させたものです。
ジルコニアはセラミックの一種
ジルコニアはセラミック(陶器)の一種で、美しさと耐久性、安全性を兼ね備えた素材です。2005年の薬事法認可に伴い、歯科治療にも使われるようになりました。現在は歯の詰め物や被せ物としてだけでなく、インプラントの上部構造(人工歯)など幅広い歯科治療で導入されています。
これまでのセラミックとジルコニアの違い
従来のセラミック治療で使われていたセラミック素材に比べ、ジルコニアはとても硬いのが特長です。そのため、力がかかりやすい奥歯の治療や歯ぎしり癖がある人の治療にも使うことができます。
その一方、透明感は従来のセラミック素材の方が高いため、前歯など、人からよく見えて大きな力がかかりづらい部位の治療には、従来のセラミック素材がおすすめです。
前歯のセラミック治療については以下でも説明しています。ご参考下さい。
前歯の虫歯や脱落、歯並びをセラミックで美しく! デメリットや費用も解説
ジルコニアの寿命はどれくらい持つ?
ジルコニアは、日本では認可がおりたのが2005年のため、まだ実際に使用して計測した寿命は存在しません。しかし、先行して導入されてる海外の症例やジルコニア自体の強度から、正しい使い方をすれば20年以上使用できる可能性が高いと言われています。
ちなみに、銀歯の寿命は約3~5年、従来のセラミック素材の寿命は約10~20年と言われています。それに比べ、ジルコニアの寿命は長いと言えるでしょう。
ジルコニアの寿命を延ばすには定期的なメンテナンスを
ジルコニアで治療した歯を長く健康に保ちたい方には、定期的なメンテナンスをおすすめします。ジルコニア自体の寿命が長くても、接着する歯や歯茎など口腔内の環境が悪くなれば、ジルコニアにも影響が出るからです。ジルコニアの寿命を延ばすためにも、定期的なメンテナンスに通い、健康的な口腔内の環境を保ちましょう。
歯の治療にジルコニアを使うメリット
ジルコニアの「硬い」「耐久性の高い」などの素材自体の良さは、歯の治療においてどのようなメリットがあるのでしょう? ここでは、具体的にジルコニアのメリットを紹介します。
とても丈夫で、汚れがつきにくい
ジルコニアはスペースシャトルの外壁としても使用されるほど、硬い素材です。金属と比べても硬さには遜色がないことに加え、金属よりも劣化しにくく耐久性が高いのも特長です。そのため傷がつきにくく、表面がなめらかで汚れがつきにくいという利点もあります。
金属アレルギーになるリスクを低減
硬い素材であるため、金属の補強を入れることなく、ジルコニア単体で被せ物を作ることができます。現在金属アレルギーの方にも使えることはもちろん、治療後に金属部からアレルゲンが漏れ出して、金属アレルギーを発症するリスクが低くなります。
自分の歯のような見た目を再現できる
ジルコニアは白く透明感がある素材なので、そのままでも自分の歯に近い色や形を再現できます。また歯科治療に使われるジルコニアはとても安定した素材。耐熱性や耐腐食性を備えているので、変色しにくく、きちんとお手入れをすることで美しさをキープしやすいのです。
歯の治療でジルコニアを使うデメリット
ここまでジルコニアが歯の治療に向いている素材であることをお伝えしました。その一方で、歯の治療にジルコニアを使うデメリットもあります。
治療費が保険診療に比べて高い
一番のデメリットに、保険適用の金属やレジンのものに比べて、治療費が高額になることが上げられます。
当院の治療費用は以下の通りです。
虫歯・歯の欠け | 被せ物・ジルコニアクラウン | ¥143,000(税込) |
歯の脱落 | オールセラミックブリッジ | ¥143,000(税込) ※1歯あたり ※型取り代金を含む |
インプラント | 人工歯根の土台・アパッチメント | ¥110,000(税込) |
インプラント | 人工歯根の上部構造 | ¥165,000(税込) |
歯を削る量が多くなることもある
ジルコニアでは、銀歯や他のセラミック素材を使った場合に比べて、歯を削る量がやや多くなる可能性があります。
これは、ジルコニアが表面をポーセレン(セラミックの一種)でコーティングされた二重構造の素材であることが要因。二重構造になると厚みが増え、その分歯を多く削らないと、接着しづらくなるからです。
ただ多く削るとしてもさほどの差はないため、そこまで気にする必要はないと言われています。
研磨や形の修正が難しい
ジルコニアは硬い素材であるため、研磨や形の調整・修正に歯科医師や歯科技工士の技術が必要となってきます
当院では、日々、それぞれの医師が技術の研鑽を重ねていることはもちろん、クリニック近隣にある日本最高峰の技工所「デンテックインターナショナル」の本社と密接なコミュニケーションを取るなど、ジルコニアを使ったセラミック治療を安心して受けていただける環境を整えています。
江坂でジルコニアを使った
セラミック治療をするなら安岡デンタルオフィス
今回は、歯の治療でジルコニアを使うメリット・デメリットなどをご紹介しました。
以下は当院におけるジルコニアクラウンを使ったセラミック治療の流れです。
1. 初診(保険診療) | 診察で歯の状況をチェックし、担当医とカウンセリングします。 レントゲン撮影・歯型の採取・状況により口の中や顔の写真を撮り、歯並びや噛み合わせ、虫歯や歯肉の状況など確認します。 |
2. 診断検査結果・治療計画の説明(保険診療) | 1の資料をもとに、最適な治療プランを提案。 治療の内容、期間、費用、お支払方法、医療費控除の詳しい説明を行います。 |
3. 治療開始 | 歯を削り、形態を整え、仮歯を作成。 治療計画に基づき、治療を開始します。 |
4. 色あわせ | 仮歯の形態調整が終了。歯並び、噛み合わせの調整後、差し歯の色を決めます。 状況により、歯科技工士が立会い、シェード(色あわせ)を行います。 |
5. 仕上がり | ジルコニアクラウンを装着。治療終了。 |
健康な美しい歯を保つため、治療終了後も3ヵ月に1回のメンテナンスを受けていただくことをおすすめします。
当院では歯を削って、ジルコニアを被せる・埋めるだけが治療であるとは思っていません。トライアル期間を設けて、納得いただけるまで仮歯でディスカッションしていき、患者様と一緒に最高の美を追求します。
梅田院のジルコニアを使った治療の症例が以下のページで見ることができます。こちらもご参考ください。
安岡デンタルオフィス|症例一覧|ジルコニア
虫歯や歯の欠け、脱落などを、天然の歯のような美しさを備えたジルコニアで治療したい方は、ぜひお問い合わせください。