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2026.07.07

歯並びと虫歯の関係|リスクが高まる理由と矯正で変わること

「毎日きちんと歯磨きしているのに、なぜか虫歯ができやすい」——そう感じたことはありませんか?原因のひとつとして見落とされがちなのが、歯並びです。
歯並びが乱れていると、どれだけ丁寧に磨いても歯ブラシが届きにくい部分が生まれ、そこに虫歯菌を含んだ歯垢が溜まり続けます。虫歯のリスクは、磨き方の問題だけでなく、歯並びの状態によっても大きく左右されます。
逆に言えば、歯並びが整うことで磨き残しが減り、虫歯になりにくい口腔環境に近づけることができます。この記事では、歯並びと虫歯の関係、そして矯正治療がどのように虫歯リスクの低減につながるかを解説します。

 

歯並びが悪いと虫歯になりやすい3つの理由

歯ブラシの届かない「死角」が生まれる

歯並びが乱れていると、重なり合った歯と歯の間や、斜めに傾いた歯の側面など、歯ブラシの毛先が届きにくい場所が増えます。どれだけ丁寧にブラッシングしても、物理的に届かない部分はどうしても磨き残しになってしまいます。
この磨き残しが「歯垢(プラーク)」として歯面に蓄積し、虫歯菌が酸を出して歯を溶かしていくことで虫歯が進行します。歯並びが原因で生まれた磨き残しは、セルフケアの努力だけでは補いきれない部分があります。
国際的な学術誌『Journal of Oral Science』に掲載された研究(2019年)でも、歯列不正がある人は正常な歯並びの人に比べてプラークが特定部位に溜まりやすく、虫歯リスクが高いことが示されています。

歯と歯の接触面が増えて汚れが溜まりやすくなる

歯が重なっていたり密集していると、歯と歯の接触している面積が広くなります。この接触面は唾液が届きにくく、自浄作用(唾液が汚れを洗い流す力)が働きにくい場所です。
デンタルフロスや歯間ブラシも入りにくくなるため、歯と歯の間の清掃が不十分になりがちです。虫歯は歯の表面だけでなく、歯と歯の間から進行するケースも多く、この部分のケアが不足すると気づかないうちに深く進行してしまうことがあります。

口が閉じにくく、口の中が乾燥しやすくなる

出っ歯や開咬(上下の歯が咬み合わない状態)などの歯並びでは、唇が自然に閉じにくくなり、口が開いた状態になりやすくなります。口が開いていると口腔内が乾燥し、唾液の量が減少します。
唾液には虫歯菌が出した酸を中和する力や、細菌の活動を抑える抗菌作用があります。唾液が減ると、この防御機能が低下して虫歯菌が繁殖しやすい環境になります。歯並びの乱れが口腔の乾燥を招き、間接的に虫歯リスクを高めているケースも少なくありません。

 

特に虫歯になりやすい歯並びのタイプ

叢生(そうせい)/乱ぐい歯

歯が重なり合ってデコボコに生えている状態です。歯と歯が重なっている部分に歯ブラシが届きにくく、磨き残しが生じやすいため、虫歯リスクが特に高い歯並びのひとつです。

出っ歯(上顎前突)

上の前歯が前方に突き出た状態です。唇が閉じにくくなることで口が開きやすく、口腔内が乾燥して唾液の自浄作用が低下します。

すきっ歯(空隙歯列)

歯と歯の間に隙間がある状態です。食べ物が詰まりやすく、詰まった汚れを放置すると虫歯の原因になります。すきっ歯は清掃性が高いと思われがちですが、隙間に詰まった食べかすが原因になるケースがあります。

開咬(かいこう)

上下の歯が咬み合わず、口を閉じても前歯に隙間が残る状態です。口が閉じにくいために口腔乾燥が起きやすく、また特定の歯に咬む力が集中することで歯が傷みやすくなります。

 

歯並びが整うと、なぜ虫歯になりにくくなるのか

歯並びが整うことで、虫歯リスクを高めていた3つの問題がまとめて改善されます。
まず、歯ブラシが届きやすくなります。歯が正しい位置に並ぶことで、これまで死角になっていた部分がなくなり、ブラッシングで汚れを落とせる面積が増えます。同じ磨き方をしていても、歯並びが整った後の方が格段に磨き残しが減ります。
次に、デンタルフロスや歯間ブラシが使いやすくなります。歯と歯の隙間が適切に確保されることで、歯間のケアが正しく行えるようになります。歯間の清掃は虫歯予防において非常に重要で、この部分のケアができるかどうかが長期的な歯の健康を大きく左右します。
また、口が閉じやすくなり、口腔乾燥が改善されます。唇が自然に閉じるようになることで、唾液が口腔内に保たれやすくなり、唾液の持つ抗菌・中和の効果が十分に発揮されるようになります。
これら3つの改善は、日々のセルフケアの効果を最大化するための「土台づくり」ともいえます。矯正治療は見た目の改善だけでなく、虫歯になりにくい口腔環境そのものを作ることにつながります。

 

矯正中は虫歯リスクに注意が必要

矯正治療によって長期的には虫歯リスクが下がりますが、治療中は注意が必要な点もあります。
ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーが装着されている間は普段以上に磨きにくい箇所が増えます。矯正器具の周囲に歯垢が溜まりやすいため、専用の器具(タフトブラシや矯正用フロスなど)を使った丁寧なケアが必要です。
マウスピース矯正(インビザラインなど)の場合は、マウスピースを取り外して歯磨きできるため、ワイヤー矯正より清掃性が高い点がメリットです。ただしマウスピースを装着したまま飲食すると汚れが溜まりやすくなるため、飲食後は歯磨きをしてから装着するルールを守ることが大切です。
矯正治療中は定期的なクリーニングで磨き残しをリセットすることが、虫歯予防に効果的です。

 

虫歯が気になる方こそ、歯並びを見直してほしい理由

「虫歯になりにくい体質になりたい」と思ったとき、歯磨きの改善やフッ素の活用など、さまざまな対策が考えられます。ただ、歯並びが乱れたままでは、どれだけセルフケアを頑張っても限界があります。
矯正治療は「きれいな歯並び」を手に入れるためだけの治療ではありません。歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病になりにくい口腔環境を整えるという、予防的な意味でも大きな価値があります。
「虫歯を繰り返してしまう」「磨いているのに虫歯ができる」と感じている方は、一度歯並びの観点から口腔内を見直してみることをおすすめします。

 

歯並びの乱れを放置すると、虫歯以外にも影響が出ることがある

歯並びの乱れが引き起こすのは虫歯リスクだけではありません。長期的に放置すると、さまざまな口腔トラブルにつながることがあります。
歯周病リスクが高まります。磨き残しによって歯垢が溜まる場所は虫歯菌だけでなく歯周病菌も繁殖させます。歯周病は歯を支える骨を溶かす病気で、進行すると歯がぐらついて最終的に失ってしまうことがあります。虫歯と歯周病は同じ「磨き残し」を起点に進行するため、歯並びが整うことは両方のリスク低減につながります。
噛み合わせが悪くなることで、特定の歯に力が集中しやすくなります。歯並びが乱れていると、咬む力が均等に分散されず、一部の歯に過剰な負担がかかります。この状態が続くと歯が欠けたり、知覚過敏が生じたり、顎関節に負担がかかって顎関節症につながることもあります。
また、歯並びの問題は口臭の原因になることもあります。磨き残しによって歯垢や食べかすが溜まりやすい環境は、口臭を引き起こす細菌の温床にもなります。

 

虫歯で悩んでいる方は安岡デンタルオフィス江坂本院で矯正の相談を

歯並びが乱れていると、歯ブラシが届きにくい部分が増えたり、歯と歯の間に汚れが溜まりやすくなったりするため、虫歯のリスクが高まります。また、歯並びによっては口が閉じにくくなり、口腔内が乾燥することで唾液の働きが低下し、虫歯になりやすい環境につながることもあります。
一方で、矯正治療によって歯並びが整うと、毎日の歯磨きやデンタルフロスによるセルフケアがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防につながる口腔環境を目指せます。見た目を整えるだけでなく、お口の健康を長く維持するという点でも、矯正治療には大きなメリットがあります。
安岡デンタルオフィスでは、お口全体の状態を丁寧に診査・診断し、虫歯や歯周病のリスクまで考慮した矯正治療をご提案しています。「歯磨きを頑張っているのに虫歯を繰り返してしまう」「歯並びが原因かもしれないと気になっている」という方は、お気軽に安岡デンタルオフィスまでご相談ください。

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この記事の監修医師
安岡デンタルオフィス院長
長野 繫彦
スタディーグループ歯庵、大阪SJCD 会員、COI(国際口腔インプラント学会) 会員、学術団体JAID 会員

目標を持つことが人の努力を支えると考え、歯科医療においても患者様の価値観に合った目標を共に作り上げることが大切です。痛みを治すだけでなく、人生を豊かにする歯科医療の実現が私の目標です。監修者プロフィール詳細を見る⇒

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