2026.07.04
歯茎のできものの正体とは?原因や治療法、放置するリスクを歯科医が解説

「歯茎に白いできものができた」「痛みはないけれど、このまま放置しても大丈夫?」と不安になっていませんか。
歯茎にできるできものは、口内炎など一時的なものもありますが、歯の根の先に膿がたまってできる「フィステル(サイナストラクト)」である場合があります。フィステルは、お口の中で細菌感染や炎症が起きているサインです。自然に治ることはほとんどないため、早めに原因を調べることが大切です。
痛みがないからと放置すると、炎症が進行して歯を残せなくなる可能性もあります。そのため、歯茎のできものに気付いたら、できるだけ早く歯科医院を受診することが大切です。
この記事では、歯茎のできものの正体やフィステルができる原因、放置するリスク、治療法について分かりやすく解説します。
歯茎にできるできものの正体は「フィステル」の可能性があります

歯茎に白いできものや小さな膨らみができた場合、その正体は「フィステル(サイナストラクト)」である可能性があります。
フィステルとは、歯の根の先にたまった膿が外へ排出されるためにできた出口のことで、「瘻孔(ろうこう)」や「内歯瘻(ないしろう)」と呼ばれることもあります。見た目はニキビのように白く膨らんでいることが多く、膿が出ることもあります。
フィステルは痛みを伴わないケースも多いため、「そのうち治るだろう」と放置してしまう方も少なくありません。しかし、フィステルができているということは、歯の根の中や周囲で細菌感染や炎症が起きているサインです。
表面のできものだけがなくなっても 、原因となっている感染を治療しなければ繰り返し再発する可能性があります。そのため、歯茎にできものを見つけたら、できるだけ早めに歯科医院で原因を調べることが大切です。
フィステルができる原因

フィステルは突然できるものではありません。歯の内部や歯ぐきで細菌感染や炎症が起こり、膿がたまることで、その出口として歯茎に現れます。
ここでは、フィステルができる代表的な原因をご紹介します。
虫歯による神経の壊死
フィステルでもっとも多い原因は、進行した虫歯です。 虫歯が進行して歯の神経まで達すると、神経が壊死し、歯の根の先で細菌が繁殖して炎症を起こします。その結果、膿がたまり、フィステルができることがあります。
「痛みがなくなったから治った」と思われる方もいますが、虫歯が自然に治ることはありません。痛みがなくなるのは、虫歯が進行して神経が死んでしまったためです。
そのまま放置すると感染はさらに広がり、歯だけでなく周囲の歯ぐきや骨にも影響を及ぼす可能性があります。
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歯根の割れ(歯根破折)
歯の根が割れたり折れたりすると、その隙間から細菌が侵入し、歯の根の先で炎症が起こることでフィステルができることがあります。
歯根破折は、歯ぎしりや食いしばり、転倒などによる外傷が原因となるほか、神経を取った歯は強度が低下するため、割れやすくなる傾向があります。
歯根が大きく割れている場合は抜歯が必要になるケースもあるため、神経の治療をした歯の近くにできものができた場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
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根管治療後の再感染
一度根管治療を行った歯でも、細菌が再び入り込むことで再感染を起こし、フィステルができることがあります。
原因としては、治療を途中で中断した場合や、時間の経過とともに被せ物や詰め物の隙間から細菌が侵入した場合などが挙げられます。
根管治療は治療回数が多くなることもありますが、途中で通院をやめてしまうと症状が悪化する可能性があります。歯を残すためにも、最後まで治療を受けることが大切です。
歯周病
歯周病が進行すると歯周ポケットが深くなり、その中で細菌が繁殖して膿がたまることがあります。膿の出口としてフィステルができるケースも少なくありません。
また、歯周病を放置すると歯を支える骨が少しずつ溶け、歯を失う原因にもなります。
歯ぐきの腫れや出血、口臭などが気になる場合は、歯周病が進行している可能性もあるため、早めに歯科医院で検査を受けましょう。
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フィステルを放置するとどうなる?
フィステルから膿が出ると、一時的に腫れが引いたり、痛みが軽くなったりすることがあります。しかし、これは炎症の原因が治ったわけではありません。
フィステルは、歯の根の先にたまった膿の出口に過ぎず、原因となっている細菌は歯の内部に残っています。そのため、放置すると再び膿がたまり、同じ場所に何度もフィステルを繰り返すことがあります。
さらに、感染が進行すると歯を支える骨が溶けたり、炎症が広がったりして、最終的には歯を残せなくなる可能性もあります。
また、「膿を出せば治る」と考えて、できものを自分で潰すのは避けましょう。膿を出しても原因となる感染は残っているため、根本的な解決にはなりません。さらに、細菌感染を広げてしまう恐れもあります。
痛みがなくても症状が改善したとは限りません。歯茎のできものを見つけた場合は自己判断せず、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。
フィステルの治療法
フィステルは膿の出口であり、できもの自体を治療しても根本的な解決にはなりません。大切なのは、原因となっている歯の感染や炎症を取り除くことです。
フィステルの原因や歯の状態によって治療方法は異なりますが、主に次のような治療が行われます。
| 治療法 | どんな治療? | 適応するケース |
|---|---|---|
| 根管治療 | 歯の根の中をきれいに清掃し、細菌を除去して薬を詰める治療 | 虫歯や再感染によって歯の根が感染している場合 |
| 歯根端切除術 | 歯ぐきを開き、歯根の先端と膿の袋を外科的に取り除く治療 | 根管治療だけでは改善が難しい場合 |
| ヘミセクション | 奥歯の悪くなった歯根だけを切除し、健康な歯根を残す治療 | 根が2本以上ある奥歯で、一部だけ保存できる場合 |
| 抜歯 | 保存が難しい歯を抜き、感染源を取り除く治療 | 歯根破折や重度の感染で歯を残せない場合 |
できるだけ歯を残せる治療を検討します
「フィステル=抜歯」と思われる方もいますが、すぐに歯を抜くわけではありません。
もっとも多く行われるのは「根管治療」です。歯の内部で増殖した細菌を取り除くことで炎症が治まり、多くの場合はフィステルも改善していきます。
一方で、根管治療だけでは改善が難しい場合には、歯根端切除術やヘミセクションなどの外科的な治療を検討します。それでも歯を残すことが難しい場合には、抜歯が必要になることもあります。
どの治療法が適しているかは、レントゲンやCTなどで炎症の状態や歯の保存が可能かどうかを詳しく診断したうえで判断します。
フィステルは早期に治療を開始するほど歯を残せる可能性が高まります。歯茎のできものに気付いたら自己判断で放置せず、できるだけ早めに歯科医院を受診しましょう。
歯茎のできものでよくある質問

Q1. 歯茎のできものは自然に治りますか?
フィステルは歯の根の先で起きている細菌感染が原因でできるため、自然に治ることはほとんどありません。一時的に膿が出て腫れが引くことがありますが、原因となる感染は残っているため、放置すると再発を繰り返す可能性があります。
Q2. 歯茎のできものに痛みがないのはなぜですか?
フィステルは膿の出口ができている状態のため、膿が排出されることで圧力が下がり、痛みを感じないことがあります。しかし、痛みがなくても歯の根の先では炎症が続いているため、早めの受診が大切です。
Q3. フィステルを潰しても大丈夫ですか?
ご自身で潰すことはおすすめできません。膿を出しても原因となる細菌は歯の内部に残っているため根本的な解決にはならず、細菌感染を広げてしまう恐れもあります。
Q4. フィステルができると必ず抜歯になりますか?
必ずしも抜歯になるわけではありません。根管治療などで感染を取り除くことで歯を残せるケースも多くあります。歯の状態によって適切な治療法は異なるため、まずは検査を受けることが大切です。
Q5. 歯茎のできものを見つけたら何科を受診すればいいですか?
歯茎のできものに気付いた場合は、できるだけ早く歯科医院を受診しましょう。レントゲンやCT検査で原因を調べ、フィステルなのか、歯周病や口内炎など別の病変なのかを診断したうえで適切な治療を行います。
歯茎のできものでお悩みなら安岡デンタルオフィスへ
歯茎のできものは、口内炎など一時的なものだけでなく、歯の根の先で起きている細菌感染が原因の「フィステル」である場合があります。
フィステルは痛みがないことも多いため放置されがちですが、自然に治ることはほとんどありません。原因となっている感染をそのままにすると炎症が進行し、歯を残せなくなる可能性もあります。
大切なのは、できものだけを見るのではなく、その原因を正確に診断し、適切な治療を受けることです。早い段階で治療を始めるほど、歯を保存できる可能性も高まります。
安岡デンタルオフィスでは、レントゲンやCTを用いて原因を詳しく診査・診断し 、患者さま一人ひとりのお口の状態に合わせた治療をご提案しています。できる限りご自身の歯を残せるよう努めながら、根管治療から外科処置まで幅広く対応しております。
「歯茎にできものができた」「何度も同じ場所が腫れる」「痛みはないけれど気になる」といった症状がある方は、放置せず、お早めに安岡デンタルオフィスまでお気軽にご相談ください。



