2026.08.24
虫歯かどうか見分け方のポイントは?各段階の症状や対処法も解説

虫歯は、歯周病と同じく初期段階は自覚症状が少ないため、痛みが出るまでは気づきにくいという特徴があります。
冷たいものを食べたり飲んだりしたときに歯がしみたり、噛んだときに痛みを感じたりすることはあるものの、症状が一時的な場合、虫歯かどうか迷われる方も多いのではないでしょうか?
この記事では、虫歯の原因や放置するリスクから、虫歯の見分け方や初期虫歯が見つかった場合の対処法までご紹介します。
虫歯になる原因

虫歯とは、口の中にいる細菌(虫歯菌)が、糖分を取り込んで作り出した乳酸によって、歯が溶かされる病気のことを指します。虫歯の主な原因は、細菌・糖質・歯の質の3つです。
細菌
口の中には、さまざまな種類の細菌がたくさん住んでいます。この中に虫歯の原因になる、ミュータンス菌などの細菌(虫歯菌)がいます。
虫歯菌が、食べ物や飲み物に含まれる糖分と一緒になると、虫歯菌が集まってプラーク(歯垢)という白い塊が作られます。
プラークの中では、虫歯菌が糖分を取り込んで乳酸を作り出します。その結果、プラーク内部は酸性となり、接している歯の表面のエナメル質が溶けてしまうのです。この状態が続くと穴が開いてしまい、虫歯と呼ばれる状態になります。
糖質
糖質とは、炭水化物から食物繊維を除いたものです。よく知られているものに、でんぷんや糖類があります。
間食が多い人、飴など長時間口の中に留まるお菓子をよく食べる人、ジュースなど糖類が含まれるドリンクを頻繁に飲む人は、歯の表面が乳酸にさらされる時間が長く、虫歯になりやすいです。
歯の質
歯の表面を覆うエナメル質の質によっても、虫歯になりやすいかどうかが異なります。エナメル質が丈夫であれば、虫歯菌が出す酸にさらされる機会や時間が多くても、歯の表面が溶けにくく、虫歯になりにくいのです。
また、乳歯や生えたての歯はエナメル質が薄く、虫歯になりやすいので注意が必要です。
虫歯を放置するとどうなる?主なリスクは3つ

虫歯の痛みが一時的に治まったとき、虫歯を放置してしまう人も少なくありません。しかし、虫歯を放置すると、さまざまなリスクにつながる恐れがあります。リスクは、主に3つあります。
強い痛みや腫れ
虫歯が進行し、エナメル質からその内側にある象牙質に達すると、冷たいものや甘いものを食べた際にしみる感覚が出るようになります。
そのまま放置しておくと、虫歯が歯の髄にある神経まで達して、常に痛みを感じるようにななることが多いです。また、細菌が歯根に達すると、歯の根の周りに膿が溜まって、口周りが腫れることもあります。
根管治療や抜歯が必要になる
虫歯を放置して症状が悪化すると、神経を取り除く根管治療が必要になる可能性が高いです。また、抜歯が必要になり、入れ歯やブリッジ、インプラントなどの治療が別途必要となるケースもあります。
全身的な病気
虫歯を放置すると、歯の根の中で虫歯菌が大量に増えます。その虫歯菌が根の先からあふれ出て、血流にのって全身をめぐると、全身のさまざまな部位に炎症を引き起こす場合があります。脳梗塞や心筋梗塞など、重大な病気につながることもあるので、注意が必要です。
虫歯は5段階!各段階の特徴をチェック

虫歯の進行は、次の5つの段階に分けられます。C0はセルフケアで修復できる初期虫歯であり、C1以降は治療が必要となってきます。
C0 初期虫歯
- 歯表面が酸で溶けてツヤがない
- 歯表面が白く濁っていたり、薄茶色に見えたりする
- 歯に穴は開いていない
- 痛みなどの自覚症状はない
C1 エナメル質の虫歯
- 歯の表面のエナメル質に小さな穴ができる
- 歯表面が白く濁っていたり、黒く見えたりする
- 象牙質には達していないため、痛みやしみる感覚はない
C2 象牙質まで進行した虫歯
- エナメル質の内側にある象牙質まで穴が開く
- 歯の表面が黒く見える
- 冷たい飲食物や噛む時に痛みを感じることがある
- 痛みを感じない場合も多い
C3 神経に達した虫歯
- 虫歯が歯髄まで進んでいる
- 穴が大きくなく、内部で広がっている場合もある
- 激しい痛みを感じる
C4 歯根だけが残った虫歯
- 歯ぐきから上の見える部分が大きく壊れて、歯根だけ残る
- 神経が死んでいるので、痛みを感じない
- 神経が露出し、細菌に感染すると根の先に膿が溜まったり、痛んだりすることがある
初期虫歯を見つける方法
虫歯は、初期段階のうちに見つければ、根管治療や抜歯をしなくてすみます。初期虫歯を見つける方法は、主に以下の3つです。
鏡で歯の状態をチェックする
歯の表面に白く濁った斑点のようなものが見られたり、茶や黒に変色したりしている部分がないか、歯と歯ぐきの間が白くなっていたりしないかを鏡でチェックしましょう。
ただしプラークがあると、歯の表面に変化があっても隠れてしまう場合があるため、丁寧に歯を磨いた後に歯の状態を確認することが重要です。
デンタルフロスを活用する
歯と歯の間は目で見ても確認しづらいため、デンタルフロスを活用することをおすすめします。
デンタルフロスを使用した際に
- フロスが引っかかって抜きづらい
- 引き抜いたフロスが毛羽立っている
などの状態が見られたら、歯と歯の間で虫歯が進行している可能性があります。
歯科医院を受診する
最も確実な方法は、プロである歯科医師や歯科衛生士にチェックしてもらうことです。初期虫歯は、歯科医院での定期検診で見つかることが多いのです。
定期検診で初期虫歯が見つかった場合、適切な治療やケアをすることで、歯を削らなくてすむ可能性が非常に高くなります。
これ、虫歯なの?見分け方のポイントは2つ
虫歯は、着色汚れや知覚過敏と症状が似ているため、虫歯なのか見分けるのが難しいことがあります。虫歯の見分け方は、以下の通りです。
虫歯の見分け方① 歯の表面
歯の表面に茶色や黒い点がある、歯の溝に黒い線がある場合は、虫歯と着色汚れの可能性が考えられます。
着色汚れとは、カレーやコーヒーなどの色の濃い飲食物に含まれる色素やタバコのヤニなどが、歯の表面にこびりついたものです。すべての歯にまんべんなく色が付いている場合は、着色汚れの可能性が高いです。
一方、虫歯の可能性が高いのは、以下のケースです。
- 常に痛みがある
- 歯が部分的に茶色い
- 奥歯の溝に沿って黒い線がある
- 歯と歯ぐきの間が白い
- 小さな穴が開いている
- 詰め物の周りが変色している
虫歯の見分け方② 痛み
歯の痛みの原因には大きく分けて、虫歯と知覚過敏の2つがあります。知覚過敏とは、歯が冷たい飲食物、甘いもの、風にあたった時などに感じる一過性の痛みのことです。冷たいものを口にした時だけしみるなどの症状の場合は、知覚過敏の可能性があります。
一方、虫歯の可能性が高いのは、以下のケースです。
- 常に歯の痛みを感じる
- しみる感覚や痛みが1分以上続く
- 歯を叩いた時に内部に響くように痛む
- 歯ブラシなどでその歯を磨くと痛みが強くなる
初期虫歯を見つけたときの対処法
初期の虫歯であれば、早期に適切な処置をすることで、進行を抑えられる可能性が高まります。自宅でできることもあるので、以下の対処法を参考にしてください。
フッ素配合の歯磨き粉を使用する
初期の虫歯であれば、フッ素配合の歯磨き粉で丁寧にホームケアをするだけでも、虫歯の進行を抑える効果があります。
フッ素配合の歯磨き粉はドラッグストアなどで購入できるほか、歯科医院では高濃度のフッ素配合の歯磨き粉を取り扱っている場合も多いので、かかりつけ医に問い合わせてみてください。
フッ素配合の歯磨き粉で歯を磨いた後は、たくさんうがいをしたり、すぐに飲み物を飲んだりすることは避けましょう。せっかく取り入れたフッ素の定着が妨げられる可能性があります。
歯磨きの正しい方法について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
歯磨きの正しい方法|磨き残しを減らして虫歯・歯周病を防ぐコツを歯科医師が解説
デンタルフロスを使用する
デンタルフロスは、歯と歯の間に溜まったプラークや食べかすを取り除くのに効果的なアイテムです。デンタルフロスには糸巻きタイプとホルダー付きタイプの2種類がありますが、初心者にはホルダー付きタイプがおすすめです。
1日1回、歯磨き後に使いましょう。使用する際には、歯肉を傷つけないようにご注意ください。
キシリトール配合のガムを噛む
歯の再石灰化には、唾液に含まれるカルシウムやミネラルといった成分が必要です。唾液を多く分泌するためには、キシリトールガムを噛むのもひとつの方法です。人工甘味料を含むキシリトールガムは、甘みで味覚を刺激し、唾液の分泌を促進します。
キシリトールガムに配合されている人工甘味料は、虫歯の原因となる乳酸を作らないため、虫歯の予防に最適です。効率よくキシリトールを摂りたい方は、歯科医院専売のキシリトール100%のガムを選ぶとよいでしょう。
キシリトールの効果についてより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
虫歯予防を助けるキシリトールの働きとは?
食生活を改善する
砂糖や炭水化物の過剰摂取は、虫歯が進行しやすい原因の一つです。砂糖や炭水化物の摂取を控えて、カルシウムやフッ素を含む食品を積極的に摂ってください。ダラダラ食べをやめて、食事と間食の時間を決めましょう。
歯科医院でフッ素を塗ってもらう
歯では、「脱灰」と「再石灰化」が繰り返されることによって健康な状態を維持しています。
「脱灰」は、虫歯菌が作り出した乳酸によって、歯表面のエナメル質からカルシウムやリン酸が溶け出すこと、「再石灰化」は脱灰によって溶け出したカルシウムやリン酸が歯に戻ることです。
甘い物を頻繁に食べたり、歯磨きを怠ったりして口腔内の環境が悪い状態が続くと、脱灰が促進され、再石灰化が追いつかず、虫歯ができやすくなります。
しかし、初期虫歯であれば、フッ素を塗布することで歯の再石灰化が促され、進行を抑えられる可能性が高くなります。歯科医院では、市販で購入するフッ素よりも高濃度のフッ素を塗布するため、虫歯予防効果もさらに期待できるでしょう。
歯科医院でフッ素を塗布する際は、最初に歯のクリーニングを行います。その後、歯の表面を乾燥させてからフッ素を塗布することが多いです。
歯科医院でPMTCを受ける
PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)とは、歯科医師や歯科衛生士による専門的な器具を用いたクリーニングのことです。PMTCの目的は、歯の表面のプラークに加え、歯磨きでは取り除けない歯石や虫歯菌を取り除くことです。
PMTCを受けることで、歯の表面がツルツルになるため、プラークが付着しにくくなり、フッ素の効果も高まるといわれています。
歯科医院で行うクリーニングについて、より詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
歯科のクリーニング頻度の正解は?リスク・目的別に江坂の歯医者が徹底解説
虫歯を早期発見したいときは安岡デンタルオフィスへ
「虫歯かな?」と思っても、忙しくて歯科医院をなかなか受診できない間に、常に痛みを感じるようになり、あわてて歯科医院に駆け込んだことがある方も多いと思います。
虫歯は初期段階であれば、痛みを感じることなく、短期間での治療が可能です。虫歯かも?と思う症状がある場合は、早めに歯科医院にかかるようにしましょう。
また虫歯を初期のうちに見つけるには、定期的に歯科医院に通って、メンテナンスを受けるのもおすすめです。自分では磨きにくい部分をプロの手で清掃してもらうことは、虫歯リスクの低減にもつながります。
当院では、虫歯や歯周病の予防を目的とした予防歯科にも力を入れております。虫歯のなりやすさを測る唾液検査や、虫歯の原因から取り除くバイオフィルム除去などのメニューもありますので、ご興味のある方はぜひお気軽にご相談ください。



