2023.04.06
歯磨き後のうがいとフッ素の関係について
こんにちは!いきなりですが、みなさんは歯磨き後のうがいは何回ほどされていますか?正直なところ、私は歯磨き後2、3回ブクブクとうがいをしているのですが、色々と調べてみたところ、この最後のうがいはあまりたくさんしない方が良いと言われているのです。それは歯磨き剤の中にも入っているフッ素成分にも関係あるようです。ご存知でしたか?
なぜしないほうが良いのか、その理由を本日は少しお話をさせていただきます。
歯磨き剤について
歯磨きの際歯磨き剤(歯磨き粉)をお使いの方が大半と思いますが、この歯磨き剤の成分をじっくりと読まれたことはありますか?歯磨き剤は主に基本成分に加えて薬用成分が配合されている「医薬部外品」と基本成分だけの「化粧品」の2種類があり、現在店頭で見かける歯磨き剤は医薬部外品の歯磨き剤が多いようです。
そして一般的な歯磨き剤の気になる基本的な成分も調べてみました。
<基本成分>
清掃剤 | 清掃剤とは研磨剤とも呼ばれている成分で、歯の表面に付着した歯垢やステイン(しみ)を除去するために使用されます。具体的な成分には、無水ケイ酸・水酸化アルミニウム・炭酸カルシウム・リン酸水素カルシウムなどが使われます。 |
発泡剤 | 歯磨き剤を泡立てることにより歯の表面に付着した歯垢や汚れを浮き上がらせ、除去するために使用されます。代表的な発泡剤としては、ラウリル硫酸ナトリウムなどの界面活性剤が使われます。 |
湿潤剤 | 歯磨き剤に水分を与え、歯磨きを潤滑に行うためにサポートする成分です。ソルビート、グリセリンなどが有名です。 |
粘結剤 | 歯磨き剤に含まれる粉末成分と液体成分を結合させて適度な粘土感を与えます。アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、カラギーナンなどが使われます。 |
香料 | 歯磨き剤には、口の中を爽やかに保つために香料が使われます。メントールやユーカリ油、シナモン油などが使用されます。 |
防腐剤 | 歯磨き剤中の細菌やカビの繁殖を防ぐために使用されます。防腐剤には、パラベンなどの化学物質が使われます。 |
薬効成分
歯肉炎や歯周病、虫歯予防、知覚過敏、ヤニ除去、プラークの分解などのために、歯磨き剤にはそれぞれの薬効成分が添加されることがあります。またそれぞれの成分は目的別に合わせて基本成分に配合されています。虫歯予防にはフッ化物や歯肉炎予防には塩化セチルピリジニウム、プラークの分解にはデキストラナーゼ(酵素)などが使われます。
虫歯予防の薬効成分
多くの歯磨き剤にはいろいろな薬効成分が配合されています。そして現在販売されている歯磨き剤には『フッ素』という薬効成分を含んだ商品がたくさんあります。この成分はむし歯予防に使われます。
『脱灰』と『再石灰化』
『脱灰』とは歯の表面からミネラル物質が溶け出す状態のことで、いわゆるむし歯の始まりの段階を意味します。
それに対して『再石灰化』とは口内の唾液がむし歯菌によって作り出された酸を中和し洗い流したり、溶け出したカリシウムやリンを歯の表面にエナメル質に戻ることを意味し、これら『脱灰』と『再石灰化』が食事をするたびに口内で行われています。この2つのバランスが保たれているとむし歯にはならないとされています。
そして『再石灰化』時に歯の表面にむし歯予防の成分、『フッ素』があると歯の修復効率が上がり、硬く溶け出しにくい構造になり虫歯に強くなります。つまり、フッ素を歯の表面にいかにとどまらせておくかでむし歯予防効果が変わってくるのです。
より多くのフッ素効果を残すのは?
フッ素入りの歯磨き剤を使って歯磨きしたあと、何度もうがいをしてしまうと歯の表面に成分がとどまることができず流れてしまうようです。つまり、歯磨きの後のうがいの回数を少なくてよく、汚れを吐き出した後は仕上げに少量の水で1回程度すすぐだけでも問題ないということです。
そして、その後はしばらくは飲食を控えてフッ素を歯の表面にとどめておくのがポイントだということです。
歯磨きの効果を最大限に得るためにも、歯磨き後のうがいが多めの方は減らしてみてはいかがでしょうか?