2023.06.29
年収300万でも安心してインプラント治療が受けられる?治療費で困らない「医療費控除」とは?
歯科治療で治療費が高額となる際に活用したいのが、医療費控除です。
医療費控除は所得控除のひとつで、支払った医療費が一定以上ある場合は、その金額を所得金額から差し引くことができる制度のこと。医療費控除が適用されると、所得税や住民税が安くなる可能性があります。
大まかに言うと、年収300万円の人が50万円の医療費控除対象の治療をした場合、所得税の還付金+住民税の減額で合計8万円も税金が安くなる可能性があるのです。
歯科治療は医療費控除の対象。自由診療となるインプラント治療も対象となります。
医療費控除に併せて、
- 治療費をクレジットカード払いでカード会社のポイントを貯める
- デンタルローンを利用し月々の支払いを抑える
などすることで、インプラント治療を安心して受けておられる患者様が当院にはたくさんいらっしゃいます。
この記事では、当院での実際の症例を上げて、「年収300万円前後の方がインプラント治療した際に医療費控除でいくら戻ってくるか」などをご紹介します。
医療費控除でいくら戻る? 還付金や減免額の計算方法
医療費控除の控除金額の計算方法は、以下の1のとおりです。
- 1年間に支払った医療費の総額ー保険金などで補てんされる金額-10万円※=医療費控除額
※所得が200万円未満の人は所得の5%
ここで求められた医療費控除額に、収入に応じて決められた所得税率を掛けた金額が、医療費控除により安くなる額になります。
- 医療費控除の金額×現在の所得税率=所得税が安くなる金額
年末調整で納税が済んでいる人は、上記金額分の還付が受けられます。
また、医療費控除の手続きをすることで、住民税の減免も受けられます。所得に掛かる住民税の税率は10%なので、医療費控除額の10%にあたる額が安くなります。
- 医療費控除の金額×10%=住民税が安くなる金額
ただし、住民税は翌年6月以降の納付となるので、所得税のように還付を受けるのではなく、安くなった額を納める形になります。
年収300万円、インプラント治療で50万円を支払った場合
一例として「年収300万円、インプラント治療で50万円を支払った場合」をシミュレーションしてみましょう。
条件:保険による補助金0円、所得税率10%の場合
- 医療費控除の対象となる金額の算出方法
50万円(インプラント費用)−0円(保険による補助金)−10万円=40万円(医療費控除額) - 医療費控除の所得税還付金
40万円(医療費控除対象額)×10%(所得税率)=4万円(医療費控除の還付額) - 医療費控除の申請による翌年度の住民税の減額
40万円(医療費控除対象額)×10%(一律)=4万円(住民税の減額)
上記の計算通り、年収300万の場合は、還付金及び住民税の減額でそれぞれ4万円、合計8万円が安くなります。
インプラント治療で医療費控除を受ける条件
インプラント治療を行った後、医療費控除を申請できる条件は以下の3つです。
- 治療を受けたご自身が納税者である、もしくは生計を一緒にされている配偶者や親族の方の医療費であること
- 支払った医療費がその年(1月1日~12月31日)に支払われた金額の合算であること
- 1年間に支払った医療費の総額が10万円以上であること。
総所得金額が200万に達していない場合、総所得金額の5%を超えていること
上記の条件を満たした上で、医療行為としてインプラント治療を行われた際は、医療費控除を申請して、一定の所得控除を受けられます。
インプラント以外に○○も医療費控除の対象!
歯科治療では、以下のような診療において医療費控除の対象となるとされています。
- 虫歯、歯周病の治療費
- 親知らずの抜歯
- 成長阻害防止のための矯正治療(小児矯正)
- 処方された薬の購入費
- 治療のための通院費(バス、電車など)
通院費に関しては、バスや電車などの公共交通機関を利用したときは対象となりますが、自家用車で通院した際のガソリン代・駐車場代は含まれないので注意が必要です。
医療費控除の対象とならない歯科医療もある
インプラントをはじめ、多くの歯科治療が医療費控除の対象となりますが、一方で医療費控除の対象外となる診療項目も存在します。
- ホワイトニングの費用
- 美容目的の歯列矯正費
- 通常使用の歯ブラシや歯磨き粉、入れ歯安定剤の購入費
- デンタルローンで支払った利息など
一般的に、予防や美容を目的とした診療に関しては対象外となることを覚えておきましょう。
医療費控除の準備
治療後は、医療費控除を受けるための準備に取り掛かりましょう。
必要な書類をきちんと揃えた上で確定申告を行うことで、正確な控除額が算出されます。
必要な書類
初めに、確定申告を行う際には以下の書類が必要です。
- 医療費控除の明細書
- 医療費のお知らせ(医療費通知)
- 確定申告書
- 源泉徴収票
- マイナンバー
- 還付金の振込口座(申請者名義)
源泉徴収票や医療費通知など、年末に手元に届く書類のほか、医療費の明細など都度手元で管理している書類も忘れないように準備しましょう。
医療費控除の申請方法
確定申告は、地域の税務署での直接提出のほか、インターネットや郵送での提出が可能です。ただ、確定申告にはいくつかの書類を作成しなければならず、自分1人で書くのは難しいと感じる方も多いでしょう。
わからないことがある場合には、地域の税務署で開催される確定申告相談会や電話相談センターの利用をおすすめします。
医療費控除の申請に必要な確定申告は毎年3月15日頃が提出期限
基本的に確定申告は3月15日頃が提出期限となりますが、医療費控除は過去5年まで遡って申請することができるため、期限を過ぎていてもきちんと対応するようにしましょう。
医療費控除を利用する際の注意点
これから医療費控除について知っていきたい方、活用したいと考えている方の中には、
- 医療費控除がどこからどこまで適用されるのかわからない
- 現金で支払っていない場合、医療費控除が受けられない?
- 治療を受けた日を覚えていないと申請ができなくなってしまう?
といったお悩みや疑問を抱えている方もいらっしゃるかもしれません。
そこで最後に医療費控除の注意点として、よくある疑問をいくつかピックアップしていきます。
Q.インプラント治療のクレジットカード払いやデンタルローンは対象?
インプラント治療を受ける際、費用をクレジット決済やデンタルローンで支払う方は多いと思います。現金以外の決済方法を使用した場合でも、実際に支払いが発生している場合は医療費控除の対象となりますのでご安心ください。なお、デンタルローンの利息は対象外になります。
Q.支払いが年明けの治療は今年の医療費控除に含められる?
例えば2024年末から治療を開始して2025年の年明けに支払いを行った場合、その金額は2025年分の確定申告(最短で2026年に提出)で申請する必要があります。
医療費控除というと、治療を受けた日を対象として申請するイメージがありますが、実際は治療日ではなく、支払いを行った日が対象になります。
タイミングによっては申請条件の金額を満たさないことで申請ができないということも有り得るので、事前にきちんとスケジュールを立てた上で治療を進めることが大切です。
Q.子どもの不正咬合の歯列矯正とまとめて医療費控除を申請できる?
美容目的でない家族の歯列矯正は医療費控除の対象となりますので、ご自身のインプラント治療と一緒にまとめて医療費控除を申請できます。医療費控除は家族単位!と覚えておきましょう。
一年間の家族分の医療費と考えると、意外と10万円を超えていることも珍しくないでしょう。医療費控除の条件を満たすかわからないという場合でも、領収書は都度保管するようにしておくことをおすすめします。
以下の記事でもインプラント治療時の医療費控除について紹介しています。
参考記事:「インプラントは医療費控除が受けられる!申請方法や注意点を解説」
江坂でインプラント治療を医療費控除で受けたいと思ったら、安岡デンタルオフィスへ
医療費控除は、1年間に支払った医療費の金額が原則10万円を超えている場合に、税金が一部還付されるという制度です。
歯科治療ではインプラントをはじめ、医療目的の矯正治療や虫歯治療、歯周病治療など、美容目的以外の幅広い診療項目が医療費控除の対象となります。
医療費の控除額は条件によって異なりますが、例えば「年収300万円で100万円のインプラント治療を受けた」というケースでは、還付金及び住民税の減額でそれぞれ9万円ずつが控除されると考えられます。
インプラント治療は基本的に自由診療となるため、高額な治療費がかかってしまいますが、医療費控除を活用することで、経済的な負担を抑えられる可能性もあります。
インプラント治療には
- 天然歯に近い噛み心地で食事をしっかり噛んで食べられる
- 他の歯に負担を掛けにくい
- 寿命が長い(一度入れると、多くの人が10年以上使えている)
といった利点もあり、健康寿命を伸ばすことにも役立ちます。健康でいられる時間が長くなれば、その分、将来的にかかる医療費の低減にもつながります。
インプラント治療に興味はあるけれど医療費が気になって二の足を踏んでいらっしゃる方は、ぜひ当院までお問い合わせください。
お電話やウェブ問い合わせフォームのほか、LINEでのお問い合わせにも対応しております。