2017.08.22
プラークが溜まっている時やってはいけない歯磨き方法|正しい歯磨きとは
誰しも習慣として行うであろう歯磨き。しかし、実は間違った歯磨きの方法や、やってはいけない歯みがきの方法を知らないうちにおこなっているかも知れません。
今回は誤った歯みがき法を理解した上での正しい歯磨き法をご紹介したいと思います。
やってはいけない歯磨き法と正しい歯磨き法
良かれと思ってやっている歯磨き法が、実は間違っているかも知れません。誤った歯磨きとしてよくある例と、正しい歯磨きについてご紹介します。
■食後すぐに歯磨きする
食事をしたら、少しでも早くお口を綺麗にするのが効果的だと思っている方も多いでしょう。
実は歯の表面を保護しているエナメル質という組織は、食事をしてお口の中が酸性に傾いていると、もろく傷つきやすい状態になります。
食後すぐに歯磨きをすると、エナメル質がダメージを受けるリスクが高くなってしまうのです。
お口の中は唾液の働きにより中和される作用があります。
そして「再石灰化」という作用によって、弱くなったエナメル質表面を再度硬くする作用もあります。
この作用が働くのを待って歯磨きするのがちょうど良いタイミングであり、食後15分~30分後がベストなタイミングなのです。
■歯ブラシを濡らす
塗れた歯ブラシで歯磨きすると、歯磨き粉が素早く泡立ち、汚れがよく落ちるイメージから、歯ブラシを水で濡らすという方も多いようです。
しかしこれもNGです。
歯磨き粉が早くから泡立ってしまうとすぐに「磨けた気分」になってしまい、磨き残しの原因になってしまいます。
効果的に歯磨きをするには、泡ではなく毛先が重要です。
乾いたハブラシのまま磨きましょう。
もっと言えば歯磨き粉が無くても良いのです。
泡立たなければ歯に歯ブラシの毛先がどのように当たっているかが良く見えるので、汚れを落とす効果は格段にアップします。
■歯ブラシは歯ぐきに対して斜め45度
歯科医院でブラッシング指導では、「歯ブラシの毛先を歯茎に入れ込むように境目に45度で当てる」と言われます。
しかし実際、毛先で歯茎の中まで入れるのは至難の業です。
それよりも歯茎よりも上の面に付着しているプラークを取り除くことが大切です。
歯の立ち上がり角度に合わせて毛先を垂直に当てて磨くことがポイントです。
要は「歯を鏡でチェックしながら磨く」ということ。どこをお掃除しているのかを確認しながら毛先がしっかりと当たっていることを確認する習慣を身に付けましょう。
■しっかりゴシゴシ磨く
固めの毛先で歯面をゴシゴシと強く磨いた方が、汚れをしっかりと落とせる気がします。
しかし固い毛先と強い歯磨き圧は歯の表面を削ってしまう恐れや、歯茎を傷つけて歯ぐきが下がる原因にもなります。
歯ブラシの毛先は柔らかいものの方が歯と歯の間や歯と歯ぐきのすき間にフィットしやすくなります。
歯ブラシは軽く鉛筆持ちをし、柔らかい毛先の歯ブラシでゆっくり丁寧に微振動を加えるだけで良いのです。
■電動歯ブラシを過信している
電動歯ブラシを使っている方は、その効果や機能性を過信してしまい「よく磨けている」と勘違いしてしまいがちです。
歯磨きが効率的におこなわれるかどうかは「歯ブラシの毛先を歯面にいかに上手に当てることができるか」ということです。
電動歯ブラシの機能は優れていても、その機能や効果を発揮できる使い方ができていなければ汚れは効果的に落ちてくれません。
基本である「歯ブラシの正しい当て方」を学び、電動歯ブラシが活かされる使い方をマスターしましょう。
ご存知ですか?正しい歯磨きの限界
1日に3回しっかり歯みがきをしているという方でも実は100%汚れを落とすということはできません。
正しい歯磨き法をしていても難しい汚れとは一体何なのでしょうか。
■知っていますか?「バイオフィルム」
バイオフィルムとは微生物が作り出す「膜」のことです。
よく台所の排水溝にヌメリができてしまいますが、これがまさにそうなのです。
お口の中でいえば、常在菌たちが増殖するため歯の表面に膜を作りだして活動する場所であり、歯垢もバイオフィルムのうちのひとつです。
■お口とバイオフィルムの関係性
バイオフィルムはお口の中ではいわゆる「歯垢」となって歯面に付着し、唾液やうがい程度では取れません。
また、付着している時間が長いと、歯ブラシでも取れにくい状態になってしまいます。そして内部では酸や毒素が作られ、虫歯や歯周病の原因となってしまいます。
歯科医院を有効活用して100%なケアを目指しましょう
歯磨きで不十分なところを補う方法を、予防歯科に取り組んでいる歯科医院でフォローしてもらうことができます。
■歯のクリーニングを受けましょう
歯磨きで落としきれないバイオフィルム対策として、専門的な器械を用いたクリーニングを受けたり、正しい歯磨き法の指導を受けることをオススメします。
当院では歯科衛生士が、バイオフィルムを除去し、歯垢が付く予防を行っております。
■自分の体質を知るのも予防
唾液の性質によって、虫歯になりやすさが変わります。
唾液の性質や分泌量、含まれる最近の多さなどを検査してもらうのも、予防策の1つになります。
■歯磨き粉を使うなら成分をチェック
歯磨き粉は使わないほうが良いとご紹介しましたが、もしも使うとすれば、歯の質を強化するためのフッ素が配合されたものや、発泡剤の少ないものを選ぶようにしましょう。
まとめ
正しいと信じておこなっていた歯磨き法が、実は間違っていることもあるということがご理解いただけたでしょうか。
今一度自分の歯みがきを見直し、効率の良い歯磨きができるようにシフトしていきましょう。
当院では唾液検査も行っており、これにより虫歯のなりやすさがわかります。
自分は虫歯になりやすいのか、自分の歯磨きは適切なのか、是非ご相談ください。