2017.10.01
滅菌機器「オートクレーブ」導入にかかる費用とその効果とは?
医療現場で院内感染対策の一環として行なわれている滅菌ですが、さまざまな器具用に滅菌方法が存在しています。 ●火炎滅菌…バーナーをはじめとする火で加熱することで滅菌操作を行います。火が当たっている範囲でしか滅菌操作が行われないため広範囲の滅菌操作には向いていません。主に滅菌されるものは、ピンセットの先や歯の根っこを洗ったときに乾燥させるための細長い道具です。 ●濾過滅菌…血液や医薬品を滅菌するときに使います。細菌よりも小さな穴で濾過することでウィルスの除去はできませんが細菌はいなくなるので必要最低限の滅菌操作は可能です。 ●ガス滅菌…手術の際に使用する内視鏡や麻酔機材など精密機器を滅菌するときに使用されます。ガスを使用するため換気設備が整っていないといけないので一般歯科医院では使われないことが多いです。 ●高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)…オートクレーブでは水を用いることで非常に経済性に優れていると言えます。121度で2気圧の高圧をかけて細菌を滅菌させることができます。歯科治療でよく使うデンタルミラーやバキュームの先、ピンセットがオートクレーブ滅菌の対象になります。
歯科医院には標準搭載と言っても過言ではないオートクレーブですが、外部の滅菌業者に任せている歯医者さんもいます。これは自分たちで滅菌操作をするリスクや機材購入のコストを考えている歯医者さんに多いです。しかし、外部に滅菌操作を委託していると医療機材や器具が戻ってくるまでの間にタイムラグが発生してしまい、天候悪化など起きてしまえば器具・機材不足で診療ができないという場合も出てくるので多くの先生は医院内にオートクレーブ機を備えてあります。オートクレーブは特別大掛かりな工事が必要ではないのでオートクレーブ機を購入した日から使用することができます。使用するときの必要な材料も水のみなので歯科医院のコスト削減にもつながります。
院内感染について新聞やメディアで紹介されるようになってから滅菌操作の重要性に気づいた歯医者さんも多くいます。滅菌は医療用語だけでなく一般の患者さんも知っている言葉です。患者さんが安心して通うことができるようにするにも滅菌は必要不可欠になっています。無菌状態にすることができる滅菌は感染症から医療スタッフも患者さんも守ることにつながります。