2024.03.28
インプラント治療が絶対だめと言われる理由は？ リスクや合わない人の条件も解説
インプラントは失った歯を補う治療法のひとつで、ネジのような形をした人工の歯根を、歯を失った部分の骨に埋め、その上にセラミックなどでできた人工歯をかぶせる治療法です。
自然な見た目や自分の歯に近い噛み心地が得られると、多くの方に選ばれている治療法ですが、「おすすめしない」「絶対だめ」などの意見がネット上で散見されます。これはなぜでしょうか？
当記事ではその理由について、インプラント治療のリスクを元に解説すると共に、インプラント治療に適さない方の条件なども紹介します。インプラント治療を検討中の方はぜひご覧ください。
インプラント治療が絶対だめと言われる理由①リスクがある
インプラント治療が絶対だめと言われる理由には、大きく分けて2つあります。まず1つ目の「インプラント治療が持つリスク」について、ここでは紹介します。
外科手術が必要
人工歯根を埋める際に、歯茎を切開し、顎の骨にドリルを使って穴を開けるなど、外科的処置が必要となります。その際に、ドリルやインプラント体が神経に触れてしまい、神経麻痺が起きたり、血管を傷つけるリスクがあります。
神経に傷をつけてしまうと、唇や頬の感覚が鈍るなどの顔面麻痺が起こります。血管損傷による出血多量で死亡事故も発生しています。
これらのリスクを避けるためには歯科用CTを使って、血管・神経・上顎洞の立体的な位置をしっかり把握し、安全な位置へのインプラントの挿入を進めることが大切です。当院では歯科用CTと最新のコンピューターシミュレーションソフトを完備し、安全な手術を行える環境を整えています。
治療期間が長い
インプラント治療は他の歯科治療よりも時間がかかります。治療期間が長いのは、挿入したインプラントが歯茎と結合するのに、約2か月の期間を要するからです。
一般的なケースで通院回数は約５回程度、約3か月〜6か月程度の時間（ケースにより異なる）が必要です。さらに骨を増やす必要があるケースは、半年から1年かかる可能性があります。
他の治療法よりも費用がかかる
インプラント治療は保険適用条件が厳しく、多くの場合が自由診療です。そのため、入れ歯やブリッジなど、他の治療法に比べ、治療費が高額となります。
また、骨造成が必要となる可能性があることや治療後の定期的なメンテナンスを念頭において、その分の費用も把握しておく必要があります。
インプラント治療の費用を安くする方法については、「インプラントの費用を安くする方法は？信頼できる歯医者についても併せて紹介！」でご紹介しています。ぜひご参考ください。
治療後に感染症のリスクが高まる
インプラント治療を行うような歯を失った歯茎は、健康な歯とは違い角化歯肉という硬い歯茎がありません。そのためインプラントの周りには食べ物のカスなどの汚れが溜まりやすく、感染症にかかるリスクも上がってしまいます。
感染症とはインプラント周囲炎のことで、細菌感染によりインプラント周辺の歯茎が炎症を起こす疾患です。患部の腫れや出血が起きるだけでなく、症状が進行すると歯茎が下がり、インプラントが露出。最終的にはインプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。
しかし、インプラント周囲炎は丁寧な歯磨きや歯科医院でのメンテナンスを定期的に受けることでかかるリスクを下げられる可能性が高い疾患です。
インプラント治療後のメンテナンスについて「インプラントのメンテナンスにかかる費用は？セルフケアのコツも紹介」で紹介していますので、ぜひご参照ください。
インプラント治療が絶対だめと言われる理由②合わない人がいる
インプラント治療が絶対だめと言われる理由の2つ目は、「合わない人がいる」こと。合わない人がインプラント治療をしてしまうと、インプラントが定着しなかったり、途中で抜け落ちてしまったりすることもあります。
インプラント治療が合わない人の条件を、ここでは解説します。
あごの骨が薄い・少ない
インプラント治療では、骨に穴を開けて人工歯根を挿入し固定する必要があります。そのため、骨の高さや密度が不十分だとできません。
ただ、骨造成という骨を再生して補う治療や骨移植を行うことで、骨量を補える可能性もあります。当院では、ソケットリフト・サイナスリフト・骨移植に対応しています。骨の状況により、他院でインプラント治療を断られた方でも対応できる場合もありますので、気軽に「お問い合わせフォーム」からお問い合わせください。
持病がある
手術を伴うインプラント治療は、糖尿病や心臓病といった慢性疾患や、がん治療中は受けるのが難しい場合があります。これは持病により免疫力が低下し、傷が治りにくかったり、歯周病が進行していたりすることが理由に挙げられます。また飲んでいる薬によっては、血が止まりにくいなど副作用が出るものもあります。
ただ、持病がある方でも状態が安定しているようであれば、インプラント治療を受けられる可能性があります。主治医や歯科医師に相談してみると良いでしょう。
過度の喫煙
タバコの煙に含まれるニコチンには免疫力を低下させ、歯ぐきの血の流れを悪くさせる働きがあります。その結果、「人工歯根と骨が結合しにくくなる」「唾液が減り、歯周炎になりやすくなる」可能性が高まります。
埋入してもインプラントが長持ちしづらいため、過度の喫煙習慣がある方はインプラント治療には適しません。
定期的にメンテナンスに通えない
インプラント治療は、入れ歯やブリッジなどの他の治療法に比べて長持ちすると言われています。しかし、これは日々のセルフケアや歯科医院での定期的なメンテナンスを治療後にきちんと行ってこそ。
上で述べたように、手入れをしなければインプラント周囲炎になる可能性があるからです。メンテナンスでは、口腔内の状態を健康に保つほか、噛み合わせやインプラントにぐらつきがないか等もチェックしてもらえます。
メンテナンスに通わずに放置し、インプラントに問題が起きた場合、歯や骨の状態によっては取り外すしかないこともあります。そのため、定期的にメンテナンスに通えない方は、インプラント治療に適していないと言えるでしょう。
インプラント治療のメリットとは？
インプラント治療には、上記のようなリスクがあります。しかし、多くの人がインプラント治療を選んでいるのも事実。その理由について、以下で解説します。
インプラント治療が絶対だめと言われる理由と共に、インプラント治療ならではのメリットを知っておくことは、自分に合った治療を選ぶことにつながります。
寿命が長い
インプラント治療は、入れ歯やブリッジと比べて寿命が長いといわれています。入れ歯やブリッジは、強度が低く数年での作り直しが必要です。一方で、インプラント治療の寿命は10年程度で、きちんとした手入れをすれば、さらに寿命を伸ばせます。
見た目が自然
インプラント治療は、本来の歯に近い色のセラミックを使用するため、違和感なく仕上げられます。入れ歯と違い金具部分が見えることがなく、ほかの歯との境界線もわかりにくいため、安心して過ごせるでしょう。
噛む力が強く、違和感がほとんどない
入れ歯の場合は、直接あごの骨に埋め込むわけではないので力が伝わりづらい特徴があります。ブリッジは埋め込んだ素材の間に隙間ができてしまうため、固いものを食べるにはかなり力をいれなければいけません。
しかし、インプラントは歯に直接埋め込む上に隙間もできないため、あごの力をそのまま伝えられます。お肉やお菓子などの硬い食事でも不安なく食べられ、自分の歯のような使い心地が得られる場合が多いと言われています。
インプラント治療の体験談
ここで日本口腔インプラント学会による 全国の30～70代のインプラント治療者を対象としたアンケート調査の結果を紹介します。
公益社団法人日本口腔インプラント学会・データから見るインプラント
インプラントの満足度
「あなたは、現在インプラントにどの程度満足していますか？」という問いに対して、
- 非常に満足している 79.6%
- やや満足している 18.0%
- どちらともいえない 1.5%
- あまり満足していない 0.6%
- まったく満足していない 0.3%
という回答が寄せられています。
「非常に満足している」「やや満足している」を合わせて、インプラント治療への肯定的な回答が約98％という結果です。
インプラント治療の満足している点
「あなたは、現在インプラントのどのような点に満足していますか？」という問いに対して、
- よく噛める 89.8%
- 食事がおいしく食べられる 66.4%
- 歯がきれいに見える 33.0%
- 歯の手入れが楽である 30.9%
- 虫歯になる心配がない 28.8%
- 喋りやすくなった／発音が良くなった 25.5%
- 自信が持てるようになった 24.9%
- 笑えるようになった 22.2%
などの回答が寄せられています。
インプラント治療前と後でイメージが変わった点
「あなたは、インプラントを入れる前と入れた後では、インプラントに対する印象やイメージに変化はありましたか？」という問いに対しては、
- 思った以上に違和感がない 78.9%
- 思った以上に噛みごこちが良い 67.9%
- 思った以上に他の天然歯と見た目が変わらない 42.9%
- 思った以上に痛くなかった 40.8%
- 思った以上に手術が楽だった 37.5%
- 思った以上に耐久性が高い 34.8%
- 思った以上にインプラントを入れる怖さがなかった 33.0%
- 思った以上に手術の後が楽だった 30.0%
- 思った以上に手入れが楽である 28.2%
- 思った以上に治療期間が短かった 12.6%
などの回答が寄せられています。
江坂でインプラント治療を検討するなら、安岡デンタルオフィス
アンケート調査の結果からは、実際にインプラントを埋入した方ではインプラント治療に肯定的な感想が多いことが読み取れます。
確かにインプラント治療には、多くのリスクもあります。しかし、「しっかり噛みたい」「美しい口元にしたい」などといった求める口腔内の状態によっては、インプラント治療が適切な場合も多いです。
治療法に迷われている方はぜひ一度、安岡デンタルオフィスまでお問い合わせください。セカンドオピニオンにも対応しています。
