2024.10.08
スケーリングって痛い?リスクや対処法は?歯石の再付着を防ぐ方法も紹介
歯科医院では、歯垢や歯石を除去する際に、スケーリングという処置を行うことがあります。「スケーリングって痛みがあるの?」「どんなリスクがあるの?」と不安がある方も多いのではないでしょうか?
そこで本記事では、スケーリングのリスクや対処法、歯石の再付着を防ぐ方法などをご紹介します。歯石が気になっている方は、ぜひ参考にしてください。
スケーリングとは
スケーリングとは、歯の表面や歯と歯ぐきの境目に付着している歯石を、専用器具を使って除去する処置です。スケーラーという器具にはさまざまな種類がありますが、一般的には手で動かす手用スケーラーを使用します。
スケーリングの効果には、歯茎の健康維持、虫歯・歯周病の予防、口臭の予防などがあります。
クリーニングとの違い
歯垢や歯石を除去するという点は同じですが、クリーニングとスケーリングには大きな違いがあります。クリーニングは主にブラシを使用して歯の表面の掃除のみを行い、痛みや出血を伴うことはありません。
一方、スケーリングでは、刃物のように尖っている器具を使用して、クリーニングでは落とせない歯石を除去します。歯根面の歯石を除去する際に、出血を伴うこともあります。
治療では、歯茎の上の部分(見える部分)に付着した歯石を除去します。約1週間後に歯茎の再検査を行い歯周病の治療が必要と判断した場合は、SRP(スケーリング・ルート・プレーニング)という治療で、歯茎の中に付着した歯石を除去するのが一般的です。
スケーリングって痛いもの?
基本的には、スケーリングには痛みはありません。しかし、歯石が長い間付着していたことにより歯茎が炎症を起こしているときは、歯ブラシが当たるなどほんの少しの刺激でも痛みが生じやすいです。
スケーリング治療のリスクと対処法
スケーリングにはいくつかのリスクがありますが、原因や対処法も事前に理解しておけば、万が一トラブルが発生しても慌てることがありません。スケーリングのリスクや対処法は、以下の通りです。
冷たいものや熱いものがしみやすい
スケーリング後に、冷たいものや熱いものがしみることがあります。 これは知覚過敏の症状で、歯の表面を覆っていた歯石が除去されたことにより、刺激に対して敏感になっていることが原因です。この場合、熱いものや冷たいものしばらく控えてください。
歯磨きするときは、プラークをつけないように丁寧にやさしく行います。知覚過敏用の歯磨き粉を使用するのもおすすめです。
歯茎から出血することがある
歯周ポケット内の歯石を取るとき、歯茎からの出血を伴うことがあります。これは、歯石だけではなく、汚染された歯茎の組織も除去することが原因です。
歯を磨くときにも出血することがありますが、スケーリングは健康な歯茎を傷つけるわけではないので、心配する必要はありません。
見た目が変わることがある
スケーリングを行うと、処置前と見た目が変わることがあります。例えば、歯茎が下がったように見えることがありますが、これは実際に歯茎が下がったのではありません。歯石によって覆われていた歯根面が露出することで、歯茎が下がったように見えるだけです。
また、歯石が歯と歯の隙間に付着していた場合、歯石を除去すると歯と歯の間の隙間が目立ちやすいですが、歯と歯の隙間が広がったわけではありません。単に、歯石が除去されたことで、見た目に変化が生じただけなのです。
スケーリング後に歯石が再付着するのを防ぐ方法
一度スケーリングで歯石を除去したら、歯石が再付着しないわけではありません。歯石は、時間が経つと歯石はまた付着しやすくなります。歯石の再付着を防ぐには、日々のセルフケアと歯科医院での定期的なスケーリング治療を受けることが望ましいです。
正しい歯磨きを行う
歯垢を落とすには、歯磨きを正しく行うことが重要です。まず、歯ブラシは歯と歯肉の間に斜め45度くらいに入れて振動させてください。そして、手に力を入れずにやさしく歯を磨きます。
歯磨き粉は、フッ素が配合されている歯磨き粉がおすすめです。 フッ素には歯の再生や菌の抑制などの働きがあるので、フッ素が高配合されているタイプがよいでしょう。
なお、研磨剤が配合された歯磨き粉は、歯に付着した汚れを削って磨く効果があるものの、歯を傷つけてしまう恐れがあるので、避けた方がよいです。
デンタルフロスを使う
歯磨きだけですべての汚れを落とせませんが、デンタルフロスを使えば歯磨きでは落としきれなかった歯垢汚れをほぼ落とすことが可能です。
デンタルフロスの使い方には、コツがあります。糸を指に巻き付けたら、歯間にフロスを斜めから入れて、ゆっくり前後に動かしてください。糸を巻き付けた片方の指からフロスを外して、前からゆっくりと引き抜いたら完了です。
定期的に歯科医院を受診する
歯石を溜めてしまうと除去するのに時間がかかるため、治療の際に痛みを感じやすくなります。可能であれば3〜6ヵ月に1回くらいの頻度で、歯科医院でスケーリング治療を受けることをおすすめします。
定期的に歯石を除去することで、歯や歯茎の健康を維持できるだけではなく、虫歯や歯周病などの病気の予防、口臭の予防にもつながります。
スケーリングに関するQ&A
スケーリングについて大まかなことは理解できたものの、まだ不安がある方もいるかもしれません。そこで、スケーリングに関する質問をまとめたので、ご一読ください。
Q.スケーリングの費用はどのくらい?
スケーリングの費用は、歯石がどのくらい付着しているかによって異なります。保険適用の場合は、初診料や検査費用などを含め約3,000~5,000円程度のことが多いです。保険適用でスケーリングとSRPの治療を受ける場合は、10,000円~15,000園程度かかります。
一方、保険がきかないスケーリング「PMTC(プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング)」もあります。PMTCとは、歯科医院の専門家がフッ化物入りの研磨剤と専用機器を使用して、歯の清掃を行う歯垢除去治療のことです。
費用は5,000円から30,000円くらいですが、歯科医院によっても異なるので、歯科医院に問い合わせてみてください。
Q.自分でスケーリングをしてもよい?
スケーリングの治療を受けるとなると、もちろん時間や費用が必要になります。自分でスケーリングをすることも可能ですが、リスクが高いのでおすすめしません。
口の中は見えにくい上、尖った器具を使用するため、リスクが高いです。口腔内のトラブルを避けるためにも、歯科医院で適切な治療を受けましょう。
Q.痛みが我慢できないときはどうしたらいい?
痛みがひどい場合、麻酔を使いながら処置を行う場合もあります。不安な気持ちが少しでもあるときは、歯科医師や歯科衛生士に相談してみてください。
スケーリングの治療中に、痛みがどうしても我慢できない場合は、左手を上げて意思表示すると、強さを調整したりするなどの対応を行ってくれるでしょう。
スケーリングで歯石を定期的に除去して歯周病や口臭を予防しよう
スケーリングは、歯石を除去するだけでなく、歯周病や口臭の予防効果も期待できます。歯の健康のためにも、歯科医院でスケーリングの治療を受けるようにしましょう。
セルフケアも入念に行い、正しいブラッシングを意識してみてください。力の入れ方や歯磨き粉の選び方などを意識するだけでも、歯垢を落としやすくなります。
「痛みを抑えた治療」をモットーにしている安岡デンタルオフィス 江坂院では、患者さまが気兼ねなくお悩みや不安などをお話しいただけるよう配慮しております。スケーリングの治療内容や費用に不安がある方も、お気軽にご相談ください。