2024.03.28
神経を抜いた歯が痛いのはなぜ?痛みはいつまで続くのか対処法を紹介
「虫歯治療で神経を抜いたはずなのになぜ歯が痛む?」思わぬ歯の痛みに苛まれて、焦りや驚きを隠せない人も多いのではないでしょうか。神経を抜いた歯そのものは痛みを感じることはありません。痛みの原因は歯の周りにあります。
本記事では、神経がない歯からくる痛みへの治療法やその原因について詳しく説明しています。まずは記事内容にて、原因や治療方法をご確認ください。歯の痛みは放っておくとどんどん痛くなるため、早めに歯科医院へ行きましょう。
まずは歯科医院へ
歯が痛い時は何をさておき、歯科医院へ行きましょう。歯の痛みはそのままにしておいて勝手に治るものではありません。早めの来院で痛みの元を完全に直してしまいましょう。
対処法は歯科治療のみ
歯の痛みへの対処法は歯科医院での歯科治療以外に方法がありません。軽い腹痛や頭痛などは、様子をみていると自然と治っているケースもありますが、歯の痛みの場合、悪くなることはあっても自然とよくなることはありません。
仮に痛みが収まったとしても一時的な収まりにすぎませんので、異変を感じた場合は早めに歯科医院で治療するようにしましょう。
歯科医院へ行くまでの応急処置
眠れないほど歯が痛いときにすぐにでもできる応急処置を紹介します。
- 歯に詰まった食べかすがないか確認する
- 塩水でうがいする
- 痛い部分を冷やす
- 市販の痛み止めの飲む
歯が痛いときは食べかすが刺激の元になっているケースがあります。食後に痛みを感じる場合は、食べかすがないか、確認してみましょう。
また、塩水には細菌を減らして痛みを抑える効果があります。イソジンのうがいぐすりも同様に効果があるので、応急処置として試してみたい内容です。
前述の方法や、冷やしても痛みが収まらない場合は、市販の痛み止めを使います。仕事中や就寝中など、どうしても痛みを忘れたい場合に効果があります。
神経を抜いた歯が痛い場合に行う治療法
神経がすでにない歯に対して一体どんな治療をするのか、気になる人も多いのではないでしょうか。
神経がない歯が痛むときに取られる代表的な治療方法を4つ、ピックアップしました。
- 神経が入っていた根管のクリーニングと被せ物
- 歯髄再生治療
- 歯周病の治療
- 抜歯
神経が入っていた根管のクリーニングと被せ物
根幹治療が不十分で、細菌感染による痛みが再発している場合は精密な根管のクリーニングをおこないます。
根管はとても細く、複雑に入り組んだ構造をしているため、質の高い治療を行うにはマイクロスコープによる精査が必要です。
歯茎の炎症を誘発している細菌を綺麗に除去できれば、痛みは自然となくなるでしょう。歯周組織の症状も少しづつ改善されます。
根管治療が終わったら、また細菌が入り込まないように被せ物をして密封します。被せ物はできるだけ制度が高いものを選びましょう。
なお、根管のクリーニング治療は保険適用治療と保険適用外治療があります。
歯髄再生治療
歯髄再生治療は、歯の神経と血管で出来ている歯髄を再生させる治療方法です。歯髄再生治療によって、抜いた神経を再生できます。
「痛みの元になる神経をなぜ再生させるのか」と疑問に感じる人も多いと思いますが、神経を再生すると、かえって痛みや炎症を緩和し根管内の膿の発生の抑制ができるようになるメリットがあります。歯髄は歯の健康維持のためにとても大切な役割を果たしています。
歯周病の治療
歯周病を原因として歯が痛むこともあります。この場合、歯周病の治療が必要です。歯周病の状態によって対応方法は様々ですが、症状が進行している場合、一般的な基本治療だけでは改善しません。
ひどくなると、歯茎をメスで切開して歯根の歯石を取り除くなどの大掛かりな外科治療が必要です。
歯の異常を感じたら、早めに歯科医院へ向かいましょう。
抜歯
歯の根本のひびや割れ、根管治療で治る見込みがない場合は、最後の手段として抜歯をします。歯の根本が割れている場合、ほとんどのケースで歯を残すことはできません。根本が垂直方向に割れている場合は例外なく抜歯が必要です。
なぜ痛む?神経を抜いた歯が痛む原因
歯の神経はないのになぜ痛みを感じるのでしょうか。痛みの元となる原因を5つ、紹介します。
- 歯の先に膿がたまっている
- 歯根膜に炎症が起きている
- 歯周病の進行
- 歯の破損
- かみ合わせの狂い
歯の先に膿がたまっている
根管の中に膿が溜まっている場合、歯の痛みを感じることがあります。膿は歯の中に起きている現象ですが、痛みを感じているのは歯の神経ではなく、歯の根っこ周りにある組織です。
そのまま何もせずに放置しておくと、歯の根っこの先端から細菌が現れ、新たな口腔内の病気を発症します。
歯根膜に炎症が起きている
歯根膜の炎症のことを、歯根膜炎と呼びます。歯根膜炎には、感染性のものと非感染性のものがあります。
感染性歯根膜炎は、使用する治療器具が歯の神経や周辺組織を刺激することで一時的に炎症を起こす症状で、痛みを感じるケースもあります。
感染性歯根膜炎の痛みは一時的なもので、治療後数日後には自然と痛みは落ち着きます。
非感染性歯根膜炎は、噛み合わせの悪さ、咬合不全によって発症する炎症です。
根管治療後に入れる被せ物の高さが正しく揃っていないと、一定の箇所にだけ偏った力がかかりつづけて、歯根膜に負担がかかり、炎症が起きてしまいます。
炎症だけでなく、顎関節症にまで発展するケースもあるため、注意が必要です。
歯周病の進行
神経を抜いた歯は、虫歯などで痛みが生じることはありませんが、歯周病による痛みは発生します。虫歯が根治していても歯や歯茎の手入れが疎かだと歯周病は進行してしまいます。
歯周病が進行すると歯茎が腫れて炎症を引き起こします。
鋭い痛いみというよりは、鈍い痛みを感じるため、歯周病を原因とする痛みは比較的わかりやすいです。
歯の破損
噛みしめたときに、スキンと鋭い痛みが走るときは、歯の根本が折れている可能性が考えられます。歯の根本が折れる原因は、歯を強くぶつける、神経を抜いた後につけた補強土台の影響によるものが多いです。
歯の根本に負担がかかってしまった時に、知らずと折れてしまいます。対処法は基本的に抜歯です。抜かずにそのままにしておくと歯茎や骨までに炎症が広がり、やがては耐えられないほどの痛みを発症するようになります。
かみ合わせの狂い
噛み合わせが狂っていると、神経を抜いた歯にもかかわらず、痛みや違和感を感じることがあります。人間の感度は髪の毛1本の違和感でも察知できるほどの精度を持っています。
前述の通り、噛み合わせに少しの狂いがあり、高さも合っていない場合に懸念されるのは、個別の歯への負担です。やがては周りの組織にまで負担がかかり、炎症を引き起こすリスクを高めます。
噛み合わせの悪さは、体のバランスにも影響を与えるので甘くみてはいけません。頭痛や肩こりなど、全身の健康にも害を与えるため蔑ろにしないようにしましょう。
まとめ
神経を抜いた歯の痛みは、周辺組織への刺激が主な要因です。歯そのものが痛みの根本ではありません。痛みが続くようであれば、まずは歯科医院へ行きましょう。
歯科医院では周辺組織の状況を確認の上、最適な治療方法を提案してくれます。痛みによって日常生活が阻害されないよう、根本的な治療に取り組みましょう。
安岡デンタルオフィスでは人生を変える歯科治療をモットーに、患者さまの立場にたった医院づくりを心がけています。原因不明の歯の痛みなど、お困りごとがあればお気軽にご来院ください。