2024.07.02
マウスピース矯正ができない6つの例を紹介!代替治療の案内も
マウスピース矯正を検討していたところ、場合によっては矯正できないケースもあることを知って、少なからず不安な気持ちに陥っている人もいるのではないでしょうか。
マウスピース矯正は、歯全体への負担を抑えつつ、審美性も維持できる矯正方法として注目の治療方法です。しかし、一定の症状に対しては、治療そのものができないケースもあります。
本記事では、マウスピース矯正ができないケースとその代替え手段について、詳細を紹介しています。マウスピース矯正を検討している人は、ぜひ記事内容をご確認ください。
マウスピース矯正ができない6つの症状
マウスピース矯正で対応できない症状を6つ紹介します。
- 重度の歯周病または虫歯がある
- 歯が埋まっている状態
- 大きく歯を動かす治療が必要なケース
- 何本かの歯でインプラント治療を実施している
- 顎の骨格が歯列矯正に適していない
- 食いしばりや歯ぎしりの癖がある
重度の歯周病または虫歯がある
歯周病は、歯の周辺組織が腫れる、歯を支える顎の骨が溶けるなどの症状が出る病気です。
歯周病が進行して顎の骨まで溶けてしまった場合、マウスピース矯正だけでなく、全ての歯科矯正ができなくなります。
歯科矯正で安定して歯を動かすためには歯槽骨の再生と破壊が必要になるため、顎の骨が溶けた状態では手の施しようがありません。
歯周病が軽度または中程度の症状であれば、歯周病を治した後でマウスピース矯正を行うことはできます。
その他、虫歯がある場合も矯正治療が後回しになることもあります。マウスピース矯正の前に精密検査を受けて、治療の優先順位を確定させましょう。
歯が埋まっている状態
親知らずが埋まっている場合、マウスピース矯正はできますが、親知らず以外の歯が埋まっている状況では、マウスピース矯正での対応が難しいです。ワイヤー矯正にて歯を牽引しなければいけません。
大きく歯を動かす治療が必要なケース
重度の受け口や出っ歯、ガタガタ歯の治療で歯を大きく動かす必要がある場合、マウスピース矯正だけでは対応できません。
マウスピース矯正では、重度の不正咬合の治療に必要なダイナミックな歯の移動ができないためです。
マウスピース矯正が得意とするのは、歯の内側や外側への移動です。自分の歯並びがマウスピース矯正で対応できるのか、まずは検査にて確認してみましょう。
歯を大きく動かす必要がある場合、ワイヤー矯正にて対応可能です。先にワイヤー強制で歯を動かして、あとでマウスピース強制へ切り替える方法もあります。
何本かの歯でインプラント治療を実施している
歯列矯正では、歯を支える歯根膜を収縮させながら歯を動かします。インプラントの場合、すでに歯根膜が失われているため、動かすことができません。
インプラントの歯が多すぎると、動かせない歯が多くなるため、マウスピースのみならず歯科矯正自体ができなくなります。
顎の骨格が歯列矯正に適していない
顎の骨格が原因で噛み合わせが悪くなっている場合、マウスピース矯正のみならず、歯列矯正そのものが対応できません。
骨格を原因とする噛み合わせの改善は、歯科矯正に加えて、外科手術も必要です。
食いしばりや歯ぎしりの癖がある
歯列矯正用のマウスピースはつけた時の違和感を少なくしつつ、目立ちにくさを優先するためにかなり薄く作られています。
そのため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人は、マウスピースを破壊してしまいがちです。
壊れると作り直しが必要になるため、矯正治療を計画的に進めることができません。
食いしばりをしないよう意識する対応もできますが、常に意識しておくのはかなりのストレスです。状況次第ではワイヤー矯正を選択した方が良いケースもあります。
マウスピース矯正で対応できる範囲
マウスピース矯正で対応できる状態を紹介します
- 軽度のがたつき
- 軽度の出っ歯
- すきっ歯
軽度のがたつき
歯並びに凹凸があってがたつきがある状態を叢生といいます。
軽度のがたつきとは、重なりがあまりなく、歯と歯の間に少し隙間を作れば正しく並ぶ程度の状態のことです。
少しの隙間を作れば対応できる程度であれば、マウスピース矯正でも十分に対応できます。
軽度の出っ歯
軽度の出っ歯とは、出っ歯を引っ込めたい幅が2mm程度のことを指します。がたつき治療と同じく、隙間を作りながら治療を進めます。
すきっ歯
すきっ歯の治療には、マウスピース矯正が適しています。程度にもよりますが、多くの場合、マウスピース矯正が適用可能です。
マウスピース矯正ができない場合の代替治療方法
マウスピース矯正ができない場合の代替方法を紹介します。
- ワイヤー矯正
- ハイブリッド矯正
- 外科的矯正
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯にブラケットと呼ばれる金属の矯正装置を装着する方法です。
ワイヤーを通してブラケットに力を加え、歯を動かします。
ワイヤー矯正はマウスピース矯正と異なり、歯を大きく動かすことができる点が特徴です。
ワイヤー矯正には、歯の表面に装着する表側矯正と歯の裏側に装着する舌側矯正があります。表側矯正は、見栄えがよくありませんが治療費は比較的安価です。
舌側矯正は目立たないものの、費用は高額で滑舌に支障が出る場合があります。
ハイブリッド矯正
ハイブリッド矯正は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせた矯正方法です。
ハイブリッド矯正では、最初に大きく動かす必要のある部分をワイヤー矯正にて治療します。その後、細かな歯並びをマウスピース矯正で整えます。
外科的矯正
骨格の問題で発生する受け口や出っ歯はワイヤー矯正やハイブリッド矯正では治療できません。
骨格に問題がある歯並びの乱れを整えるには、外科的矯正が必要です。
外科的矯正では、顎の骨を正しい位置に戻した時に、上下の歯がしっかり噛み合うようにワイヤー矯正から始めます。
その後に外科的な手術を行い、骨格を起因とする顎の歪みを修正します。
まとめ
マウスピース矯正は手軽で効果も得られることから、注目の歯列矯正方法ですが、歯並びの状況次第ではマウスピース矯正の効果が出ないケースがあることもよく認識しておきましょう。
本格的に歯並びを整えたい人は、ワイヤー矯正とマウスピース矯正を組み合わせたハイブリッド矯正も検討してみましょう。
安岡デンタルオフィスでは、歯の健康を通して患者さまの豊かな生活を実現したいと考えています。歯並びに関する悩みなどございましたら、お気軽にご相談ください。
患者さまにぴったりの治療方法をご提案させていただきます。