2024.04.19
メタルボンドとは？オールセラミックとの違いや費用感、メリットも紹介
被せ物の治療にあたって、セラミックと他の素材、どちらが良いのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
見た目の良さで選ぶならセラミックですが、現実問題、予算が厳しいことも多々あるでしょう。
本記事ではセラミックとよく比較されるメタルボンドについて、詳細を紹介しています。セラミックに近い素材を検討している人は、ぜひ記事内容をご確認ください。
メタルボンドとは？素材としての特徴
メタルボンドは、セラミック治療において採用されるケースが多い差し歯・被せ物の一つです。セラミックと金属を併用している点に特徴があります。
金属の上に陶材を焼き付けていくため、強度の強さはトップクラスです。素材として利用されてきた歴史も長く、実績は申し分ありません。
メタルボンドとオールセラミックの違いは？
メタルボンドとオールセラミックは何かと比較されることが多い素材です。とはいえ、それぞれの素材の違いがよくわからない、という人も多いのではないでしょうか。
オールセラミックは、外側も内側もセラミックでできたクラウンのことをいいます。オールセラミックは色調の再現性に優れており、天然歯特有の自然なグラデーションまで再現できる点が強みです。
金属を一切使っていないため、金属アレルギーの人でも安心して利用できます。
メタルボンドは金属の外側にセラミックを焼き付けたクラウンです。金属素材とのハイブリッドな点が、オールセラミックとの違いです。メタルボンドの表面はセラミックですが、一部金属が露出することもあります。
メタルボンドをおすすめできる人
メタルボンドはどのような人におすすめできるのでしょうか。2つの事例をピックアップしてみました。
歯ぎしりが止まらない人
歯ぎしりがどうしても止められない人は、オールセラミックを使うのはやめておきましょう。
強い力が加わり続けるため、思いの外早い段階でセラミックの摩耗が進んでしまいます。
メタルボンドは金属で支えているため、オールセラミックよりも強靭です。
見た目にこだわりたいけど予算の折り合いがつかない人
メタルボンドは、セラミックと金属のハイブリッド素材ということもあり、オールセラミックよりも価格は控えめです。
ある程度見た目にこだわりたい、でも予算がきびしいかも、という人にはメタルボンドがピッタリです。
メタルボンドは奥歯に使うことが多いため、思うほど見た目が気になるということはないでしょう。
メタルボンドのメリットとデメリット
見た目を優先して考えるとオールセラミックに分がありそうですが、メタルボンドならではのメリットも見逃せないものがあります。
メタルボンドの素材としてのメリットとデメリットを確認してみましょう。
メタルボンドのメリット
メタルボンドの利用で得られるメリットは次のとおりです。
- 強度の高さ
- 審美性が良い
- 長い間利用されてきた素材としての実績がある
- 比較的安価に治療できる
強度の高さ
メタルボンドは部分的に金属を使っているため、強度はとても高いです。奥歯の利用にも十分耐えうるほどの強度を持ちます。
オールセラミックも強度が高い素材ですが、陶製の素材なので強い衝撃が加わると割れるリスクは高めです。
審美性が良い
メタルボンドの内側は金属ですが、外側はセラミックで仕上げられています。審美性の良さは十分に確保されているといっても良いでしょう。
オールセラミックには劣るものの、天然歯に限りなく近い色を再現できるのは強みの一つです。
色調が変化しにくいため、長い間美しさを維持できます。
長い間利用されてきた素材としての実績がある
メタルボンドは素材として50年以上利用され続けてきました。長きにわたって多くの歯科医院で利用されてきた実績は確かなものです。積み重ねられた症例のエビデンスは枚挙に暇がありません。
トラブルにも対応しやすいため、安心して治療にのぞめる点は、大きなメリットではないでしょうか。
比較的安価に治療できる
メタルボンドはセラミック治療の一つで、基本的に保険診療の適用外です。保険が適用できないため、基本的な治療費は高くなりますが、オールセラミックに比べると比較的安価に抑えられます。
オールセラミックにしたいけど予算が折り合わない、という人はメタルボンドを選んでも満足行く治療が受けられるかもしれません。
メタルボンドを使うデメリット
メタルボンドの利用で懸念されるデメリットは次のとおりです。
- 噛み合う対向の歯を傷つけるおそれがある
- 金属アレルギーを起こす可能性がある
- セラミックに比べると審美性は劣る
噛み合う対向の歯を傷つけるおそれがある
メタルボンドはとても強度が高く、耐久性に優れています。場合によっては噛み合う対向の天然歯を傷つけてしまうおそれがあります。
歯ぎしりや食いしばりの癖がある人でも奥歯に利用できる強度を持っていますが、あまりに強い負荷がかかり続けると、天然歯は傷つき、ひどくすると破損してしまうでしょう。
歯ぎしりが出る人は、就寝時にマウスガードなどを利用して、歯への負担を減らすことをおすすめします。
金属アレルギーを起こす可能性がある
メタルボンドは内側に金属を利用するため、どうしても金属アレルギー発症のリスクは払拭できません。金属アレルギーは接触箇所にとどまらず、血液を循環して湿疹や頭痛、肩こりの原因になるとも言われており、全身への影響も懸念されます。
また、メタルボンドに使用されている金属が溶け出して、歯茎が変色する可能性もあります。黒っぽく変色するため、見た目が決して良いとはいえません。
金属アレルギーが心配な人は、オールセラミックを選びましょう。
セラミックに比べると審美性は劣る
メタルボンドは外側だけにセラミックが利用されていることもあって、オールセラミックよりも色調が劣ります。また、施術内容次第では内側の金属が見えるかもしれません。
より高い審美性を求める場合、オールセラミックを選んだほうがよいでしょう。
メタルボンドの施術費用相場
メタルボンドの施術費用を確認してみたところ、多くの歯科医院では7万円〜10万円の範囲内に収まっていました。
中には15万円としている歯科医院もありましたが、おおよそ10万円程度と考えておいても良さそうです。
保険適用外の治療となるため、割高になるのは致し方ありません。保険適用内で収めるか、自費治療でも質の高い治療を求めるかは、事前によく考えておきましょう。
歯科治療は歯科医師とよく相談のうえ決めましょう
本記事ではメタルボンドの比較対象としてオールセラミックを取り上げましたが、どちらの治療法も一長一短です。実際に治療を検討する時は、歯科医師とよく相談のうえ、納得のいく治療計画をたてましょう。
歯は健やかな生活を送る上で欠かすことができない体の一部です。また、豊かな生活を目指す場合は審美性も大事なポイントです。
何に重点をおくのか、あらかじめ決めておくと選びやすくなります。
安岡デンタルオフィスでは人生を変える歯科治療をモットーに、患者さまの立場にたった医院づくりを心がけています。歯の治療にあたって被せ物の素材など、悩みごとがあればお気軽にご来院ください。
