2024.02.13
ジルコニアとセラミックの違いとは?メリットやデメリットも紹介

「結局ジルコニアとセラミックどちらがいいの?」などと、いずれかの選択で迷っている人も多いのではないでしょうか。
簡単にお伝えすると、一般的には強度が必要な場合はジルコニア、美しさを求める場合はセラミックが最適とされています。値段はオールセラミックの方がやや高価です。
本記事では素材選びに迷いがちな方へ向けて、ジルコニアとセラミックの違いや特徴について、詳しく説明しています。気になる方は、ぜひ記事内容をご確認ください。
ジルコニアとセラミックの特徴
ジルコニアとセラミックの特徴を一覧表にまとめてみました。
厳密にいうとジルコニアもセラミックの仲間です。ジルコニアとセラミックの比較は、主にジルコニアとオールセラミックとの比較になります。
ジルコニアとオールセラミックの特徴をそれぞれ詳しく説明します。
ジルコニア
ジルコニアとはセラミックの一種で、人工ダイヤモンドと呼ばれるほどに高い硬度を持ち合わせており、高い強度が求められる人工関節やスペースシャトルの外壁にも使われています。審美性も高く高品質の素材です。
ジルコニアがよく利用されるポイントは、奥歯の被せ物です。また、ジルコニアは、インプラントの上部構造だけでなく、アバットメントや人工歯根にまで広く応用されるほどの汎用性の高さも持ち合わせています。
以前は奥歯の被せ物は金属が主流でしたが、ジルコニアの登場によって金属アレルギーの心配もなく、被せ物ができるようになりました。
金属の土台を使っていた差し歯も、ジルコニアへ変えることで、歯茎の黒ずみが出る問題も解消されています。
セラミック
ジルコニアは奥歯の被せ物やインプラントで使われるケースが多いですが、オールセラミックは、審美性の高さを生かして前歯の差し歯などに利用されるケースが多く見られます。
セラミックは陶器の一種で色調を細かく調整できるため、天然歯に近い透明感や審美性を再現できる特徴があります。
事前の設計をうまく行えば、残った天然歯とうまく調和し、どれがセラミックかわからないほど綺麗に仕上げることもできます。
ジルコニアに比べると、やや強度が劣るため、奥歯など強度が求められる箇所よりも、前歯など審美性が求められる箇所での採用がメインです。
値段で見るジルコニアとセラミックの違い
ジルコニアとセラミック、それぞれの治療費の相場感を一覧表にまとめてみました。
|
素材 |
治療の方法 |
費用 |
|
セラミック |
インレー |
33,000円〜55,000円 |
|
クラウン |
110,000円〜165,000円 |
|
|
ジルコニア |
インレー |
44,000円 |
|
クラウン |
55,000〜110,000円 |
基本的にセラミックよりもジルコニアの方が割高です。使用している材料や作成工程の多さによって費用は変わってくるため、歯科医院ごとに費用が異なります。
ジルコニアとセラミックのメリット・デメリット
ジルコニアとセラミックのメリットとデメリットを一覧表にまとめました。
次項以降にて、それぞれの強みと弱みを詳しく説明します。
ジルコニアのメリット
ジルコニアのメリットを2つ紹介します。
- 奥歯の使用にも耐えうる強度がある
- 口内環境にも順応できる耐久性の高さ
奥歯の使用にも耐えうる強度がある
ジルコニアは人口ダイヤモンドと言われるほどの強度を持っています。従来の被せ物と比べても、割れや欠けのリスクを最小限に抑えることができます。
奥歯だけでなく、前歯でも自然に使用できる汎用性の高さも見逃せないポイントです。金属アレルギーで金属が使えない人や、セラミックの割れや欠けが気になる人には、ジルコニアは良い選択肢となるでしょう。
口内環境にも順応できる耐久性の高さ
口内環境は食べ物の影響を受けやすく、急激な温度の上下動、アルカリ性から酸性など様々な変化に晒されます。ジルコニアは酸やアルカリ性への耐性が高いため、長く使用しても変色や溶解のリスクがかなり低いです。
審美性と耐久性のバランスを考えて、前歯をオールセラミック、奥歯をジルコニアにするなど、部位ごとに素材を変えるケースが多いです。
ジルコニアのデメリット
ジルコニアのデメリットを2つ紹介します。
- 審美性はオールセラミックに劣る
- 実証データがまだ少ない
審美性はオールセラミックに劣る
オールセラミックは自然な白さと透明感を持っており、色調を自由にコントロールできるため、見た目を天然歯のように自然に仕上げることができます。
一方、ジルコニアは透明感が少ないため、見た目の美しさや自然さでは、オールセラミックに及びません。
昨今では、見た目を重視した透明感のあるジルコニアも登場しているものの、審美性ではオールセラミックの方が上です。
実証データがまだ少ない
ジルコニアは2005年に薬事法の認可を受けたばかりの新しい素材です。そのため、ジルコニアの治療予後に関する情報はまだ十分に出揃っておらず、長い間使用するとどうなるのか、明らかになっていない部分が多いです。
生体親和性の確証のうえで認可を受けているので過剰な心配は無用ですが、あえてデメリットとしてあげさせてもらいました。
オールセラミックのメリット
オールセラミックのメリットを3つ紹介します。
- 審美性に優れている
- 虫歯が再発しにくい
- 変色しにくい
審美性に優れている
オールセラミックの最大のメリットは、審美性の高さです。他の歯に馴染むように色調を調整して作成されるため、違和感を最小限に抑えることができます。
大きく口を開けて笑っても、治療の後がわかることはないでしょう。神経を失った歯の黒ずみ対策に、オールセラミッククラウンは有効です。
虫歯が再発しにくい
金属の詰め物や被せ物の治療は、虫歯が再発しやすいデメリットがあります。金属は素材の劣化によって生じる隙間から虫歯が発生しやすくなるため、密かに虫歯が進行していきます。
また、セラミックに比べて汚れもつきやすいため、虫歯ができる隙を作ってしまいがちです。オールセラミックは、変形による隙間ができにくく、汚れもつきにくいため、虫歯が再発しにくいメリットがあります。
変色しにくい
オールセラミックは経年による変色がほぼありません。最初の段階で丁寧に調整した色調のまま、長い期間審美性を維持し続けることができます。
レジンのように白い仕上がりの素材もありますが、ほぼ変色せずに高い耐久性を実現している素材はオールセラミックの他にはありません。
オールセラミックのデメリット
オールセラミックのデメリットを3つ紹介します。
- 治療費用が高い
- 銀歯よりも衝撃に弱い
- 歯を多く削る必要がある
治療費用が高い
オールセラミックは保険が適用されず自費診療となるため、治療費が高額です。銀歯やレジンなど、保険適用される素材を使う場合は3,000円から4,000円程度で済みますが、オールセラミックの場合は、前述の通り十数万円かかることもあります。
ハイレベルな治療と引き換えに、高い治療費がかかることは十分に認識しておかなければいけません。
銀歯よりも衝撃に弱い
オールセラミックは、軽量で生体親和性、耐熱性、耐摩耗性に優れており、長期間の使用にも耐えられる素材ですが、衝撃には金属の銀歯よりも弱いです。
噛み締めや歯ぎしりが強い人は、知らない間にセラミックにダメージを入れてしまいます。何も対策をしないと、早い段階で交換が必要になるでしょう。
耐久性は歯科医師の施術によっても変わってきますので、セラミック治療は定評のある歯科医院を選ぶことをおすすめします。
歯を多く削る必要がある
詰め物や被せ物の治療では歯を削る作業が必要ですが、オールセラミックの場合は、ある程度の厚みを持たせて強度を確保する必要があるため、多めに歯を削る必要があります。
オールセラミックに比べて金属は強度が高いため、薄い被せものでも強度を確保することができます。したがって、それほど歯を削る必要がありません。
ジルコニアとセラミックに関する素朴な疑問
ジルコニアとセラミックに関するよくある質問を3つ、ピックアップしました。
ジルコニアとセラミックの耐久性の差は?
一般的にオールセラミックの寿命は約7年~10年程度、ジルコニアは約10年~15年程度とされています。一概にジルコニアと言っても、その種類はさまざまで、耐用年数も大きく異なります。
歯科治療によく使われる素材との耐用年数の違いを一覧表にまとめました。
歯科治療にはさまざまな素材が使われますが、ジルコニアの耐用年数がもっとも長いです。素材の耐久性は本人の歯の状態やアフターケアによって左右されることをよく認識しておきましょう。
セラミックとジルコニア、前歯や奥歯に最適な素材はどちらですか?
オールセラミックとジルコニアで比べた場合、前歯にはオールセラミックが適しており、奥歯はジルコニアが適しています。第一印象を左右する前歯の美しさを演出するには、天然歯に近い白さを持つオールセラミックが良いです。
物を噛む役割がメインの奥歯は強度面に優れるジルコニアが適しています。ジルコニアは強度が高いだけに、噛み合わせとなる他の歯をすり減らしてしまう可能性も考慮しておきましょう。
見た目の美しさや自然さの具体的な違いは?
オールセラミックとジルコニアの決定的な違いは審美性です。オールセラミックは数ある歯科材料の中でも、際立つ美しさを持っています。特に透明感はオールセラミック特有のものです。
ジルコニアも白く美しい素材ですが、透明感という点においてはオールセラミックに及びません。人間が感じる歯の美しさや自然さは、透明感に起因することが多いため、結果的に審美性ではオールセラミックに軍配があがります。
とはいえ、最近ではジルコニアの改良も進められており、高い透明度を備えた素材が流通するようになりつつあります。ひょっとすると、将来的にはジルコニアとオールセラミックの差は縮小されるかもしれません。
ジルコニアとセラミックの治療の注意点
治療前に診査診断をしてもらいましょう
ジルコニアのメリットである強度と耐久性がデメリットとなる場合もあります。
金属には展性、延性といって、物質が柔軟に変形できる性質を持っています。
しかしジルコニアには金属のような展延性がなく、歯に負荷がかかりやすかったり、関節に影響を与えてしまうことがあります。
奥歯にジルコニアを使用した詰め物や、被せ物を行うことがあった際、噛み合わせが強く、力がかかった際に硬い性質を持った物同士が当たると、歯が割れる原因となったり、治療を行った反対側の天然歯が割れてしまうこともあります。
また歯ぎしりが強い「ブラキシズム」という症状を持った方は顎関節が痛んできたり、歯茎までも傷んでしまう可能性があります。
セラミックであれば、割れる可能性がある、ジルコニアであれば割れることはなくても固すぎて、歯や顎関節に負担をかけることになる、そのような場合にゴールドインレーなど展延性をもった金属が含まれるゴールドが使用された詰め物や被せ物を行うことで、顎関節に負荷をかけにくくすることができます。
CT画像やレントゲンの画像を用いて、患者様の状態を丁寧に診断、そしてカウンセリングをさせていただき、患者様にあった治療を提供いたします。
歯に負担がかかる生活習慣には気を付けましょう。
ジルコニア、セラミックのいずれにしても、治療した歯を長持ちさせることができるかは、皆さまの意識によって変えられることもあります。例えば、鉄欠乏性貧血の症状の一つとして「氷を食べたくなる」ことがあります。また氷ではなく飴玉をかじりたくなることもあるようです。治療を行った後に、無意識にボリボリと食べていると、歯が割れてしまう原因となります。
また食事の際に、治療した歯のある片方ばかりで噛んでいると、それもまた歯に負担がかかったり、噛み合わせにも影響を与えてしまいます。
治療した歯を長持ちさせるためにも、過度な負荷がかからないように気をつけましょう。

まとめ
ジルコニアとオールセラミックはいずれも同じセラミックの仲間ですが、ジルコニアは強度が高く、割れにくく摩耗しにくい特性を備えています。
一方オールセラミックは、美しさに優れ、耐久性はジルコニアに劣ります。素材を選ぶときは、奥歯にジルコニア、前歯にはオールセラミックなどとシンプルに覚えておくと良いでしょう。
当院では、人生を変える歯科治療をモットーに、患者さまそれぞれが自信を持って笑顔を出せる歯科治療を目指しています。歯の悩みのために自分の笑顔に自信が持てない方は、ぜひ一度ご相談ください。
ご予約については下記をご覧ください
ご予約について|安岡デンタルオフィス



