2020.09.09
親知らずが口臭を引き起こすって本当?予防法や抜歯後の対策などを紹介
「毎日歯磨きしているのに、口臭が気になる…」と思ったことありませんか?もしかしたら、その口臭は、親知らずが原因かもしれません。親知らずは、磨きにくい箇所に生えているので、口の中でトラブルが発生しやすいのです。
この記事では、親知らずが口臭を引き起こす原因のほか、口臭を防ぐ方法などについて解説しています。口臭が気になる方、親知らずが生えている方などは、ぜひ参考にしてください。
親知らずとは
親知らずは一番奥に生える永久歯のことで、「智歯」「第三大臼歯」とも呼ばれます。すべての親知らずがある場合、上下左右に1本ずつ生えてきますが、親知らずが歯肉の下に埋まったまま、まったく生えてこない人もいるようです。
生えてくる時期は10代後半から20代が一般的ではあるものの、個人差があります。親知らずは、横向きや斜めに生えるなど正常に生えないことが多く、抜歯することがほとんどです。ただし、正常に生えている場合は、抜歯せずにそのまま残すこともあります。
親知らずが口臭を引き起こす原因
親知らずは一番奥に生えているため、自分の目で見て確認することは至難の業です。汚れが溜まっていたり歯の状態が悪化したりしていても、なかなか気づきません。親知らずが口臭を引き起こす原因は、主に3つ考えられます。
食べかすが溜まっている
親知らずは、ほかの歯よりも歯磨きが難しく、食べかすが溜まりやすい箇所です。
親知らずが通常の歯と異なる生え方をしている場合、または親知らずの発育が不十分で歯茎との隙間が大きい場合、食べかすはさらに溜まりやすくなります。放置された食べかすは腐り、口の中で不快なニオイを放つのです。
歯茎や歯肉が膿んでいる
口臭が歯茎から発生している場合、歯茎が膿んでいる可能性があります。親知らずや周辺の歯は、歯磨きしているつもりでもしっかりと磨けていないことも多いものです。
口の中に溜まった食べかすや汚れが発酵することで、歯茎や歯肉が炎症を起こして膿み、口臭が発生するのは避けられません。
虫歯になっている
親知らずが虫歯になっていると、周囲の歯に悪影響を及ぼし、虫歯が広がる恐れがあります。虫歯が広がるということは、細菌が繁殖しているということでもあるので、口臭が発生しやすくなるのです。
歯周病になっている
親知らずに食べかすや汚れが溜まっていると、歯周病になる可能性が高いです。歯周病とは、歯茎や歯肉に炎症が起きている状態のことです。歯周病になると歯の周囲の骨が溶けてしまうので、溶けた骨と歯茎の間に膿が溜まり、不快なニオイが発生しやすくなります。
親知らずによる口臭を防ぐ方法
親知らずによる口臭を防ぐ方法は、主に4つあります。口臭が気になる方は、以下の方法を試してみてください。
歯磨きを丁寧に行う
口臭を防ぐには、丁寧な歯磨きが必要です。親知らずは歯ブラシが届きにくい場所なので、細かい場所までしっかりと磨きましょう。歯ブラシを使うときは、親知らずの斜め横から当てて小刻みに動かして磨きます。
歯ブラシだけでは十分に磨けない場合は、タフトブラシも使ってください。タフトブラシを持つときは、「ペングリップ」(鉛筆の持ち方)がポイントです。
親知らずにタフトブラシの毛先を当てて、小刻みに動かします。力を入れすぎて、歯肉を傷つけないように注意してください。
マウスウォッシュを使う
歯茎が腫れたときは痛むことも多いため、歯磨きをするのも容易ではありません。そんなときは、マウスウォッシュで口の中を殺菌しましょう。かかりつけの歯科医院で処方してもらったものでもよいし、市販のものでも構いません。
虫歯を治療する
親知らずまたは周りの歯の虫歯が原因で口臭が起こっている場合は、虫歯を治療しましょう。虫歯は、放置したら悪化するだけです。痛みがなくても口臭が気になったら、早めに歯科医院を受診してください。
親知らずを抜歯する
口臭の原因が親知らずの場合、親知らずを抜歯することが、根本的な解決法といえるでしょう。しかし、親知らずの中には抜かなくてよいものもあります。親知らずを抜歯したいときは、まずは歯科医師に相談してみてください。
抜歯後も口臭がなくならない原因
親知らずを抜歯したら、必ず口臭がなくなるわけではありません。ときに、口臭がなくならない場合もあります。原因は、主に4つあります。
穴の中に食べかすが詰まっている
親知らずを抜歯すると、抜歯したところは穴が空いている状態になります。この穴に食べかすが詰まって発酵すると、口臭の原因になることがあるのです。しかし、穴の中を無理に歯ブラシで磨くと傷ついてしまうので、触れないようにしてください。
治療中の傷が臭う
抜歯直後は、抜歯直後は、傷口に血が溜まるため、血が膿になって口臭が発生することがあります。口臭が気になるかと思いますが、この傷は1週間ほどで治ります。傷口が治れば口臭も気にならなくなるので、少しの辛抱だと思って我慢しましょう。
縫合糸が臭う
抜歯後は、糸で傷口を縫合するのですが、この糸に食べかすなどが付着すると、口臭を引き起こしやすくなります。傷口をブラッシングすると刺激を与えてしまい、炎症を起こす可能性があるので、万が一口臭が気になっても完治するまでは触らないようにしてください。
ドライソケットの状態になっている
ドライソケットとは、親知らずを抜いた後、傷口の骨が露出している状態のことです。抜歯後、血液が固まりかさぶたのようなものができ傷口を保護するのですが、うがいなどによる刺激でかさぶたが剥がれると、ドライソケットになってしまいます。
この状態になると、食事の際に強い痛みがあったり、口臭が発生したりする可能性があります。
親知らずの抜歯後の口臭対策
親知らずを抜歯した後、口臭がなくならないケースや口臭が悪化するケースもあります。しかし、工夫次第で口臭を抑えることは可能です。
健康的な日常生活
まず、バランスの取れた食事は欠かせません。栄養バランスの良い食生活を心がけることで、口腔内の健康を維持しやすくなります。
次に、喫煙の習慣がある方は、禁煙をおすすめします。タバコは、口腔内の健康に悪影響を及ぼすため、口臭を悪化させる原因の一つです。
そして、ストレスを溜めない生活です。ストレスも、口腔内の健康に影響を及ぼします。適度な運動や趣味などでリフレッシュして、ストレスのない生活を送りましょう。
マスクをする
外出時に口臭対策をする場合、タブレットやミントガムなどを噛んで、さらにマスクをするとよいでしょう。マスクは頬の腫れを隠すこともできるので、抜歯直後は特に重宝します。
うがい薬を使用する
抗菌作用のあるうがい薬は、口臭予防に効果的です。食後はうがい薬でうがいをして、溜まった食べ物のかすを取り除きましょう。
歯科医院で口腔内のクリーニングをしてもらう
口腔内のクリーニングは、口腔内の細菌や食べ物のかすを取り除くだけでなく、口臭を抑える効果もあります。しかし、傷の状態によっては口の中の掃除ができないこともあるので、歯科医師にご相談ください。
口臭外来や口臭治療を受ける
口臭がいっこうになくならない場合は、口臭外来や口臭治療を受けるのも一つの方法です。専門の医師が口臭の原因を特定した上で、適切な治療を行ってくれます。歯垢や細菌なども効果的に除去できるので、虫歯や歯周病予防にもなるでしょう。
まとめ
親知らずは一番奥に生えているため、歯磨きをしているつもりでも十分に磨けていない可能性があります。親知らずが生えている方は、日頃から丁寧なセルフケアや虫歯の早期治療などを心がけるようにしましょう。
江坂院では、患者さまの不安や悩みをカウンセリングで解消して、納得していただいてから治療を進めます。また、保険を主体とした治療がメインで、自費に関してもさまざまなオプションを用意しております。親知らずによる口臭でお悩みの方は、ぜひご相談ください。