2025.03.13
子供の噛み合わせが悪い場合はどうしたら良い?根本的な原因や治療方法を説明
「うちの子はもしかして噛み合わせが悪いのでは?」
そのような悩みを抱えている親御さまへ、本記事では子供の噛み合わせについて、詳細を説明しています。
子供の噛み合わせが悪くなる要因は、先天的なものから後天的要因まで様々です。
噛み合わせの対処法や治療について、詳細を知りたい方はぜひ記事内容をご確認ください。
子供の噛み合わせが悪くなる原因
子供の噛み合わせが悪くなる要因を先天的、後天的要因から紹介します。
先天的な要因
先天的な要因とは、生まれつきによるものです。なるべくして不正咬合になってしまいます。
主な先天的要因は次の3つです。
- 遺伝
- 顎の骨の大きさや形状によるもの
- 先天的な疾患
両親の噛み合わせが悪いと、遺伝によって子供の噛み合わせも悪くなる可能性があります。遺伝の内容には、顎の骨の大きさや形状が含まれています。顎の骨や大きさが、歯の生える位置や並び方に与える影響は大きなものです。
その他、口唇口蓋裂など生まれつき唇や口蓋に裂け目があるような疾患が、不正咬合の原因となることもあります。
後天的な要因
後天的な要因には、癖や外傷的トラブルが挙げられます。
主な後天的要因は次のとおりです。
- 指しゃぶりとおしゃぶり
- 口呼吸
- 舌癖
- 乳歯が抜けてしまった
指しゃぶりやおしゃぶりが長い間続いてしまうと、歯並びに影響を与えることが知られています。
その他には舌を歯に押し付ける、舌を噛むなどの舌癖は、舌の位置が変わることによって歯並びに影響を与えます。
子供の悪癖は早めに対処しましょう。後々後悔することになりかねません。
その他には、乳歯が虫歯などで脱落してしまうと、永久歯が正しい場所へ生えてこないケースもあります。
噛み合わせの悪さがもたらす悪影響
噛み合わせがもたらす悪影響を3つのポイントにて説明します。
- 正しい発音ができなくなる
- 虫歯や歯周病の原因になる
- 胃腸への負担が大きくなる
正しい発音ができなくなる
噛み合わせの悪さをそのままにしておくと歯並びにも影響が及びます。歯並びが悪くなると、正しい発音ができなくなるリスクがあります。
歯と歯の間に隙間ができると、空気が抜けやすくなることからサ行の発音は難しくなるでしょう。
また、出っ歯になると舌が上の歯につきにくくなるため、サ行だけでなくタ行やナ行、ラ行まで発音しにくくなります。
正しい発音ができないと、成長していく過程で大きなストレスを抱えることになります。
虫歯や歯周病の原因になる
噛み合わせが悪いと、歯と歯の間や歯と歯肉の間に食べカスが溜まりやすくなり、歯磨きでしっかりと取り除くことが難しくなります。
その結果、歯垢や歯石がつきやすくなり、虫歯や歯周病の原因となる細菌が繁殖を促してしまい、口腔内が虫歯になりやすい環境になります。
また、噛み合わせが悪いことで歯に過度の力がかかり、歯の根っこを支えている骨を傷つける可能性も高まるでしょう。
胃腸への負担が大きくなる
噛み合わせが悪いと、食べ物をしっかりと噛み砕くことができず、食べ物が固形のまま胃に送られてしまいます。
固形のまま胃に到達してしまうと、胃腸は本来よりも大きな塊を消化しなければならず、大きな負担がかかります。
いつも咀嚼が不完全だと、消化不良や胃もたれ、さらには消化器官への負担が長期的に続くことになるでしょう。
噛む動作は消化作業の始まりでもあります。十分に噛むことで消化酵素の分泌を促し、消化を助けます。噛み合わせが悪いと消化酵素の分泌が不完全となり、消化不良の原因にもなりかねません。
子供の噛み合わせを治すための矯正治療とは?
小児矯正の治療方法を4つ紹介します。
- ワイヤーを使った矯正治療
- マウスピース矯正
- フェイシャルマスク
- ヘッドギア
ワイヤーを使った矯正治療
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を貼り付け、ワイヤーを通して歯に力を加えながら、少しずつ歯を動かして歯並びを整える治療法です。
ワイヤーの力で歯をゆっくりと移動させ、理想的な位置に導くのが目的です。
メリットとしては、様々な歯並びの改善に対応できること、治療期間が比較的短いことなどが挙げられます。
デメリットは、見た目が気になること、治療中に痛みを感じる場合があることです。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明で目立ちにくいマウスピース型の装置を装着し、歯に少しずつ力を加えて歯並びを整える治療法です。
ワイヤー矯正に比べて見た目への影響が少なく、取り外して食事や歯磨きができるため、生活に大きな制限がありません。
マウスピース矯正はすべての歯並びの乱れに対応できるわけではなく、治療期間がワイヤー矯正よりも長くなる場合があるなど、メリット・デメリットがあります。
フェイシャルマスク
フェイシャルマスクは、主に顎が前に出ている状態、いわゆる受け口の子供の矯正治療で使われる装置です。
顔にマスクのようなものを装着し、口の中の装置とゴムバンドで繋いで、上顎を前に出すように力を加えます。
主な対象は成長期の子どもです。顎の骨の成長を促し、噛み合わせを改善します。
顎の骨格的な問題を改善できる点とワイヤー矯正と組み合わせることで効果を高められる点がメリットとして挙げられます。
デメリットは、見た目が気になる、装着に時間がかかるなどです。
ヘッドギア
ヘッドギアもフェイシャルマスクと同じく、顎の成長を抑えるための装置です。ヘッドギアの場合は顎を固定する形で装置を装着して、上顎の成長を抑えるために使われます。
ゴムの力で6歳臼歯を後に移動させて、上顎が前に出る症状を改善します。
装着時間は1日8時間から12時間程度で、夜間に装着するのが基本です。
小児矯正を始めるタイミング
歯科医の診察によって噛み合わせの悪さが認められた場合は、原因に合わせて適切な治療を施します。始めるタイミングの目安は4歳〜7歳の間です。
具体的なタイミングは次の2通りです。
- 第一期治療
- 第二期治療
第一期治療は、歯が生え変わる時期です。乳歯がまだ残っている幼児から小学生の時期に差し掛かります。この時期に顎のバランスを整えつつ、正しい歯並びの土台を作ります。
第二期治療は、永久歯が生え揃った時期が基準です。年齢ではおおよそ12歳頃が多くなります。第二期治療では、歯並びのねじれと隙間を正しく修正していきます。
大人になってから矯正治療を始めると、安定している歯列を動かすことになるため、矯正治療に時間がかかってしまいます。
根本的な歯並び改善が難しくなるため、矯正治療は子供の間に済ませておいた方が良いです。
噛み合わせ治療の費用相場
矯正治療の費用相場を紹介します。
- 初期相談とカウンセリング
- 精密検査
- 治療の費用相場
初期相談とカウンセリング
初期相談とカウンセリングは無料としている歯科医院も多いですが、有料としている歯科医院もあります。
費用相場は無料〜5,000円程度です。特にこだわりがなければ無料の歯科医院を探した方が良いでしょう。
精密検査
精密検査を無料としている歯科医院もありますが、基本的にはお金がかかると考えておいた方が良いです。
精密検査の費用相場は無料〜5,000円前後です。
しっかりとした治療を考えている場合、精密検査の費用はケチらない方が良いでしょう。
治療の費用相場
第一期と第二期の治療期間に行われる代表的な治療方法の費用相場を一覧表にまとめました。
治療方法 | 費用の相場 |
フェイシャルマスク | 40万円程度 |
ワイヤー矯正 | 50万円〜150万円 |
マウスピース矯正 | 50万円〜80万円 |
他にも色々な矯正治療方法がありますが保険適用外の治療が多いため、いずれも高額です。
しかし、以下3つの事由に当てはまれば、保険適用となり費用を抑えられる可能性があります。
- 顎変形症による咬合異常の場合
- 前歯や小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常の場合
- 厚生労働省が規定する咬合異常に当てはまる場合
まとめ
子供の噛み合わせが悪くなる要因は先天的なものと後天的なものに分類されます。癖など、後天的要因であれば、早めに対処して矯正治療にならないように気をつけましょう。
顎の位置など、先天的要因によるものの場合、ある程度の時間と治療費用が必要です。
とはいえ、歯並びは大人になっても様々な影響を及ぼしますので、子供の間にできる限りの対処はしておきたいところです。
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