2025.02.12
乳歯が抜けないときの正しい対処法|抜き方のコツと注意点を徹底解説

こんにちは!安岡デンタルオフィスです!
お子様の乳歯がグラグラしているのになかなか抜けないと、どうしていいか悩みますよね。
「抜いてあげた方がいいの?それとも自然に任せるべき?」と迷うご家族も多いのではないでしょうか。
この記事では、乳歯の正しい抜き方や注意点について詳しく解説します。
この記事を読むと、乳歯が抜けるタイミングの見極め方やリスク、適切な対処法がわかります。
特に、長期間グラグラしている乳歯にお悩みのご家族には、ぜひ最後まで読んでいただきたい内容です!
乳歯がグラグラしているけど抜けない?正しい抜き方を知ろう

結論として、乳歯がなかなか抜けない場合、適切な対応を取ることが大切です。
放置してしまうこともお子様にとってはストレスになりますし、正しい処置ができないとお口の健康リスクに繋がってしまうことも考えられるでしょう。
例えば、無理やり抜いてしまうと、歯茎や永久歯にダメージを与える可能性があります。
ズバリ、乳歯の「正しい抜き方」はこれ!
グラグラしている乳歯を抜いてしまう場合は、とにかく無理に外そうとしないことが大切です。
清潔な手やガーゼでゆっくり少しずつ歯を動かして抜けやすくしてあげましょう。
昔のように糸で引っ張ったり無理に押して抜いてしまったりすることはNGです。
抜けない乳歯に適切な対応が必要な理由
基本的に、乳歯は、永久歯が生える準備が整った時点で自然に抜けます。
適切なタイミングで抜けることにより、永久歯が正しい位置に生えるスペースが確保されます。
しかし、自然に抜けない場合は、次のようなリスクがあります。
永久歯が斜めに生える
乳歯が残っていて永久歯のスペースが不足すると、永久歯が斜めに生えてくることがあります。
少し傾いている程度であれば、他の永久歯が生えそろうにつれて改善されることもありますが、大きく傾いている場合には矯正治療を行うなど、他の治療を検討する必要が出てくるでしょう。
歯列が乱れる原因になる
本来であれば抜けているべき時期に乳歯が残っていると、永久歯が生えそろうスペースが足りなくなってしまいます。
そうすると、永久歯は歯列の内側や外側などズレた部分から生えてきてしまうことがあります。
全体的に歯並びがガタガタになってしまう「叢生」という不正咬合を引き起こす可能性があるため、早めに歯科医院で相談することをおすすめします。
歯茎に炎症を引き起こす可能性
乳歯が抜けないまま、下から永久歯が生えてくると、歯ぐきが押されて腫れてしまうことがあります。
また、乳歯がある状態で永久歯が生えるとブラッシングがしづらくなってしまうことも懸念されます。
ブラッシングが行き届きにくくなると、歯茎の炎症も起こりやすくなります。
その状態が長期間続くと、重度の歯周病を引き起こしてしまうこともありますので、注意が必要です。
このようなリスクを回避するためにも、グラグラしている乳歯はそのまま放置せず、正しい抜き方で抜くか歯科医院で処置を受けるようにしましょう。
乳歯を無理やり抜くことによるリスク
抜けかけの乳歯をそのままにできないからと言って無理に乳歯を引っ張ると、以下のようなトラブルが起こることがあります。
歯茎を傷つける可能性
無理な力を加えると、歯茎が傷つき炎症を引き起こすことがあります。
昔は、歯に糸を引っ掛けて引っ張るという無茶な方法が主流でした。
ご年配の方にとってはポピュラーな方法に思われるかもしれませんが、歯ぐきや歯にとっては大きな負担になってしまいます。
歯茎に負担がかかると出血や痛みなどお子様が辛い思いをしてしまうため、注意が必要です。
歯の根が残る場合のリスク
乳歯の根が完全に溶けていない状態で抜くと、歯茎内に根の一部が残り、感染の原因となる可能性があります。
歯の根っこが綺麗に抜けないまま放置していると、その後に生えてくる永久歯が正しく並ばなくなってしまうなどのリスクもあります。
乳歯が抜けそうなタイミングを見極めるポイント

乳歯が抜ける自然なタイミングを見極めることは、正しい抜き方を実践する上で欠かせません。
以下では、歯が抜けるサインやその時期について紹介していきます。
歯の抜けるタイミングはお子様にもよりますので、一つの目安として参考にされてください。
乳歯が抜ける準備が整うサインとは
乳歯が抜ける時期は個人差がありますが、以下のサインが見られると、抜ける準備が整ったと考えられます。
お子様が「歯が痛い」と言い出したり、歯を気にしている様子があったりしたらチェックしてあげるようにしましょう。
- 歯が左右に大きく揺れる
- 噛むと歯が少し痛む
- 歯茎が腫れている
生え変わり時期と自然な歯の動き
通常、乳歯は6歳から12歳にかけて順次生え変わります。
永久歯が乳歯の下から押し上げることで、乳歯が自然に揺れ始めます。
まずは前歯の4本から始まり、奥に向かって少しずつ生え変わっていきます。
自宅で乳歯を抜く際の正しい手順と注意事項

前提として、乳歯は無理に抜く必要はありません。
とはいえ、すでに永久歯が見えている場合など、乳歯をそのままにしておくことがリスクになる場合には、必要に応じて乳歯が抜けやすくなるようアプローチしていくことも大切です。
自宅で乳歯を抜く場合は、リスクを避けるために正しい方法を守りましょう。
少しずつ揺らす方法とコツ
乳歯を抜く際は、少しずつ歯を動かすことが大切ということを冒頭でお伝えしましたが、その場合には
一度に強い力を加えるのではなく、時間をかけて行うようにしましょう。
清潔な手やガーゼを使用し、優しく左右に動かします。
強く押したり引っ張ったりするのではなく、揺らすようにするのがポイントです。
痛みがある場合の対処法
乳歯を揺らす際に痛みを訴える場合は、無理をせず歯科医院で診察を受けましょう。
痛みの原因は、炎症や永久歯の位置異常である可能性があります。
無理に抜かないための判断基準
乳歯が抜けそうに見えても、次の場合は無理に抜かない方がよいでしょう。
歯がわずかしか動かない場合
歯を揺らしてもあまり動かない場合は、まだ抜けるタイミングではないのかもしれません。
無理に動かすのではなく、舌で触るとグラグラと動くくらいまで少し様子を見るようにしましょう。
歯茎が腫れているなど、炎症が続いている場合
歯茎が赤く腫れているなど問題がある場合には、なるべく歯に触れないようにしましょう。
無理に歯を動かすことで歯茎に刺激が伝わり、炎症がひどくなってしまう可能性があります。
乳歯の抜き方に迷ったら歯科医院へ相談を

乳歯の抜き方に不安がある場合や、特定の状況が見られる場合は、専門家に相談するのが最善です。
以下では、歯科医院に相談した上で対処すべきケースを紹介していきます。
専門家に任せるべき状況とは
自分で対処するのではなく、歯科医院で相談をした上で適切な処置を受けるべきケースには以下のようなものがあります。
- 乳歯が損傷している場合
- 永久歯の位置がずれている場合
- 歯茎が膿んでいる場合
歯科医院では、乳歯の状態を正確に診断し、安全に抜歯するための最適な方法を提案します。
乳歯の抜き方に関連するよくある質問

乳歯に関する疑問は多岐にわたります。
以下に代表的な質問とその回答をまとめました。
痛くない乳歯の抜き方はある?
乳歯が十分に揺れていれば、ほとんど痛みを感じずに抜くことが可能です。
強く引っ張ったり押したりするのではなく、少しずつ揺れるように動かしてあげましょう。
お子様が怖がってしまったり痛みを訴えたり、抜くのが心配な場合は、歯科医に相談しましょう。
抜けそうな乳歯をそのままにしても大丈夫?
抜けそうな乳歯が痛みを伴わず揺れている場合は、自然に任せても問題ありません。
ただし、長期間抜けない場合は専門家の診察を受けることをお勧めします。
乳歯が思ったよりも早く抜けてしまった場合、何か問題はある?
まだ抜ける段階ではないのに、乳歯が抜けてしまってお困りの方もいらっしゃるかもしれません。
例えば、転倒によって歯をぶつけてしまったり、スポーツ中にお口を怪我したりと、外傷によって乳歯が抜け落ちてしまうケースも、お子様にはよくあることです。
こうしたケースでは、歯科医師の判断に応じて治療を受けるようにしましょう。
永久歯が生えてくるタイミングまでは仮歯を装着するか、そのまま永久歯が生えてくるのを待つか、お口の状態によって治療方針は異なります。
永久歯が生えない場合の対処法は?
乳歯が抜けても永久歯が見えなかったり、長期間抜けたままになっていたりする場合には、先天的に永久歯がないケースや大きくズレて生えてくるケースなどが考えられます。
永久歯がないと聞くとビックリされるかもしれませんが、先天的な永久歯の欠損はそれほど珍しいことではないのでご安心ください。
永久歯がなかなか生えてこない場合は、X線撮影などで原因を確認する必要があります。
抜けた乳歯の活用方法|歯髄細胞バンクで未来に備える
抜けた乳歯は記念に保管しておくことも良いですが、専門的な方法で乳歯を保管しておくことで、再生医療に役立つ可能性があります。
歯髄細胞バンクでは、抜けた乳歯の歯髄細胞を保管し、将来的な医療に利用する技術が注目されています。
興味のある方は、歯の再生医療に注力している歯科医院で相談してみるのもいいかもしれません。
まとめ

乳歯がうまく抜けず困っている場合には、正しい抜き方で抜いてあげることが大切です。
無理に抜くのではなく、少しずつ歯を動かして抜けやすくすることがポイントです。
とはいえ、基本的には自然に抜けるか歯科医院で抜歯をすることが前提です。
あくまでも「今にも抜けそうなくらいグラグラしている歯を早めに抜いてあげる」程度のイメージで考えていただけると幸いです。
今回は、乳歯が抜けるタイミングや正しい抜き方について解説しました。
乳歯に関する悩みや不安がある場合は、ぜひ歯科医院で相談してください。
本記事をお読みいただきありがとうございます。
何かご不明な点や、お悩みがございましたら、安岡デンタルオフィスにお気軽にご相談ください。