2018.04.15
認知症の高齢者の歯磨きをスムーズに行なう方法
どうして歯磨きを嫌がるのか
認知症の方は、口の中に異物を入れられることに、警戒心を抱いてしまうようです。「歯磨き」という言葉と、実際に歯磨きを行ったときの動作が結びついていないために、警戒して口を閉じてしまうことが多く見られます。また、力加減などにも注意をしなくてはいけません。歯磨きをされている側からすると、思ったよりも痛みを感じているのかもしれないですね。痛みを感じれば、やはり歯磨き自体に抵抗をしてしまうものです。表情や気持ちを配慮し、注意深く行っていくことが大切でしょう。
どうすればスムーズに歯磨きが出来るか
いきなり口を触られることには抵抗を感じてしまうことがありますので、まずは手のマッサージから始めたり、肩をもんだりと、徐々に体に触れることに慣れてもらうことが必要でしょう。また、「一緒に歯を磨こう」などと声を掛けるのもお薦めです。認知症の方は、物忘れが酷くなったのを悟られないために、「やった」と言ってしまうことが多いようです。そうならないためにも、声を掛けることは相手の気持ちをほぐすのにとても効果的です。歯ブラシに慣れてもらうことも大切です。歯磨きのときに限らず、歯ブラシを持ってもらうようにするとよいかもしれませんね。
健康な歯を保つということ
高齢者というのは体の機能が衰えているために、唾液の分泌が少なく、口の中の自浄作用が弱まっています。そうなると、細菌が増殖しやすく虫歯や歯周病になるリスクは高くなっていくのです。虫歯や歯周病になれば、食事にも制限が出てしまいます。ものを噛むという行為は、脳に刺激を与えていくので、認知症の方には大切なことなのです。また、免疫力の低下から様々な病気を招く原因ともなるので、歯磨きはとても重要でしょう。けれども、歯医者としても無理にすすめるわけではありません。あくまでも高齢者の方に配慮して無理のない歯磨きを続けていきましょう。